12月24日、JO1は特別イベント『JO1 5THシングル「WANDERING」発売記念クリスマスショー』を開催。クリスマスをテーマにしたトークとパフォーマンスでファンを魅力した。
『Prologue』
メンバーたちの華やかなビジュアルが輝くオープニング映像のあと、まずパフォーマンスされたのは最新シングル『WANDERING』に収録されている『Prologue』だ。この曲はメンバーたちのボーカル力を存分に楽しめるのが魅力。ファンの間でも人気の高い楽曲だ。
一列に並べられたスタンドマイクを使ってパフォーマンスしたJO1。この楽曲はダンスパフォーマンスはなく、ボーカル一本で勝負している楽曲だ。だからこそ、各メンバーのボーカルの個性や実力をよりハッキリを確認することができる。
河野純喜
開始早々心を掴まれたのは河野純喜の圧倒的なボーカルだ。JO1を取材し続けて早2年、彼のボーカルについては、もはや読者のみなさまの耳にタコができるのではないか、というほど何度も言及してきたが、今回も言わせていただきたい。彼は本当にアーティストになるべくしてなった逸材だと思う。彼の驚くほど大きな声量は、本当に何度聞いても鳥肌が立つ。あのスレンダーな体型からは想像もできないほどのパワフルな歌声。もはや一人だけ拡声器を通して歌っているのかと思えるほど、彼のボーカルは並外れた迫力とパワーがある。
ただ声が大きいだけではない。彼の歌声には心がこもっている。ただキレイにカッコよく歌うのではなく、歌詞を思い浮かべながら、かみしめるように歌うのだ。歌詞に落とし込まれた感情が、河野の声を通して、河野の色を加えて鮮やかに花開く。
生で聞く彼の歌声についてはどんな言葉を使っても表現しきれない。もちろん、カメラを通して聞く彼の声も素晴らしいのだが、生で聞く彼のボーカルはどんなに美しい言葉を使っても足りないほど魅力にあふれている。まだJO1のパフォーマンスを生で見たことがないというJAMのみなさんもたくさんいることだろう。今の状況が落ち着けば、JO1と会える機会も増えるはずだ。そのとき初めて聞く河野の歌声を楽しみにしてほしい。これだけハードルを上げてもなお、あなたは彼の歌声を聞いて鳥肌が立つはずだ。
彼の魅力としてもう1つ言及しておきたいのが“表現力”。今回『Prologue』のパフォーマンスを見ていて驚いたのは、彼の効果的なカメラの使い方だ。ほほを緩めながら目を閉じて幸せそうに歌っていたかと思えば、次の瞬間、力強い眼差しを向けて一気に観客の目を惹きつける。彼の表情には緩急があるのだ。そして筆者は、彼はこの動作を意識的に行っているのではないかと思っている。カメラに映される時間と歌の内容に合わせた絶妙なタイミングで笑顔を見せ、瞬きをし、ときにゆっくりと、ときに素早く表情を変えるその一連の動きは、無意識に行っているというには、あまりにも緻密で正確だ。もしかすると河野は天才的な感覚を持っていて、これを無意識のうちに行っているかもしれない。だが個人的には、あのドラマチックな表情演技は彼の努力によって生まれたものだと思う。
佐藤景瑚
河野に続く佐藤景瑚は繊細でありながらも安定感のある歌声を披露した。佐藤はデビューしてから着実にボーカルの実力をあげているメンバーだ。柔らかく優しい歌声であるにもかかわらず、ブレがなくしっかりとした声量もある。聞いていて心地よい、天使のような歌声だ。
彼についてはもう1つ、魅せ方についても注目したい。今回のステージでは、天界から舞い降りてきたかのような上品なビジュアルを生かした、刹那的な表情に心を惹かれた。彼はデビュー後初の有観客ライブ『OPEN THE DOOR』を経て、自分の魅せ方を確立させたように思う。たくさんのファンからエネルギーを受け取り、自信がついたのだろうか。それともファンのリアクションを見て、何をすれば自分をより美しく描くことができるのかということをつかんだのだろうか。もしかするとその両方かもしれない。彼はファンとのつながりによる影響が最も大きい人物であり、ファンの愛を受けてよりキラキラと輝くメンバーだ。今回のパフォーマンスを見て、改めてそう思った。
川西拓実
魅せ方と言えば、表情演技の職人である川西拓実についても言及しておきたい。自分の魅力を把握しており、それを最大限に生かす才能を持っている川西。彼のパフォーマンスは彼自身が音楽を楽しみながらパフォーマンスしているということが伝わってくる。
『Prologue』のサビ部分では、顔をゆがめながら切実な思いをつづるように歌詞を歌い上げた川西。彼の歌声はまるで感情がそのまま音になったかのような、強いパワーを持っている。川西もかなり声量が大きいメンバーなのだが、その安定感と繊細な表現がかけ合わさることによって、感情が色濃くストレートに伝わってくる。
『Happy Merry Christmas』
続いてパフォーマンスされたのは、クリスマスにぴったりな楽曲『Happy Merry Christmas』だ。この楽曲はJO1が結成するきっかけとなったオーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN」にて公開された曲。1ST アルバム『The STAR』にも収録されている。
今回のイベントでは、なんとこの楽曲パフォーマンスを「スマホで撮影してもOK」というサプライズプレゼントが。まさかのお知らせに現場にいたファンはどよめき声をあげながら大興奮。思い思いにメンバーたちの姿を撮影していた。ファンが撮影した動画はツイッターにて「#JO1_fancam」のタグで共有されている。
推しカメラを撮りやすいようにするためか、パフォーマンスではメンバーたちが自由に動く時間が多くとられていた。10人(※)それぞれが観客席の近くに寄って積極的にファンとコミュニケーションをとろうとしている姿が印象的だった。
※金城碧海は体調不良により休養中のため欠席。
『We Alright』
豆原一成
3曲目『We Alright』では豆原一成の圧倒的なパワーに驚かされた。豆原の覇気をまとった力強い歌声はJO1の宝物だ。彼はどのパフォーマンスにおいても、ステージに対する熱い思いを全力で伝えてきた。彼の声には音楽に対する情熱と必死さがこもっている。ファンの前でパフォーマンスできることのよろこびを、パフォーマンスを通して昇華させようとする彼の姿は、見ていて胸が熱くなった。
デビュー後から一貫して“覇気”を感じさせるパフォーマンスを続けている豆原。オフラインでファンを目の前にパフォーマンスするようになってから、その勢いはさらに増したように思う。前に見せようとする意識が非常に強く、観客を圧倒させてやろうという熱意を感じる。その燃え盛る思いは、彼のボーカル、ダンスによってまっすぐ観客に届けられる。ステージという戦場で迫力満点にパフォーマンスする彼はまさに炎そのものだ。
川尻蓮
川尻蓮は高音が非常に安定しているメンバーだ。ダンスが得意なことで知られている川尻だが、彼はボーカル面でもグループに大きく貢献している。まず、川尻の安定したボーカルは楽曲をより心地よいものにする。彼の明るくしっかりとした高音は曲全体のクオリティーをあげる、パフォーマンスを支える柱のような存在だ。
川尻の努力によって、JO1のボーカルは大きく支えられていると思う。よく考えてみれば、連続で高音を歌い続けるというのは、いくら訓練を積んだボーカリストでも至難の業のはず。ましてや踊りながら歌っていることを考えると、体力的にもかなり厳しいだろう。それなのに、川尻はまるで当たり前とでも言わんばかりに、毎回完ぺきなボーカルを聞かせる。これは、彼のたゆまぬ努力の成果だろう。
川尻のダンスパフォーマンスにも惹きつけられた。JO1のダンスリーダーを務めている彼。『We Alright』のサビ部分、メンバーたちが彼を囲んで一斉に顔をあげるシーンでは、川尻の存在感がグッと増す。しなやかでキレのある川尻のダンスが、全体のパフォーマンスをキュッと引き締め、よりスタイリッシュな印象に変化させている。川尻のすごいところは、その強い存在感と圧倒的なスキルによってグループ全体の色を変えてしまうところだ。自分だけが目立つのではなく、足並みをそろえながら、全体に良い影響を与える力がある。彼のこの才能は今後もJO1のパフォーマンスを支えることだろう。
木全翔也
淡白でありながらもエネルギーを感じる木全翔也のパフォーマンス。彼の安定感のあるラップとクセのないダンスもまた、JO1のパフォーマンスの質が上がりつづける理由の一つだ。木全は曲に馴染む才能を持っている。一見すると、大人しそうで儚げなイメージに見えるが、刺激的な楽曲では唸り声のようなカリスマたっぷりな声で、スタイリッシュな楽曲では力強くもシックな声で曲の良さを引き出す。
『We Alright』の冒頭部分では、彼がこの曲のベースとなる“温度”を決めているように思えた。この楽曲は運命に身をまかせず自ら道を切り開こうとする、強く前向きな感情を歌ったもの。木全はこの曲にあったテンションを表情やダンスで示していたように思う。曲の本質を掴むことが非常に得意な彼が最初に道筋を立てることで、その後の動きがより洗練されて美しく映る。彼の曲に染まる力がグループ全体にも影響を与えていると感じた。
大平祥生
大平祥生の唯一無二の雰囲気とJO1の楽曲のシナジー効果ほどワクワクするものはない。儚げで中性的なビジュアルと、そんな外見からは予想できない低いラップ。花のような美しさとワイルドな一面の両方をもつ彼は、つかみどころのない不思議なオーラをもっている。そして、その独特なオーラはJO1のパフォーマンスのアクセントとなっている。
『We Alright』の中盤、彼が他のメンバーを操るように手を動かすシーンを見れば、彼の華やかさがパフォーマンスの流れに変化を与えているのが感じられるはずだ。パワフルなボーカルとダークトーンのラップの後に続く、彼の透明感のある声としなやかなダンス。王子様のようにキラキラと輝く彼のパフォーマンスは、それまでの激しい流れを一気に軽やかに変えている。筆者はこのように大平が楽曲の流れを操るパートがすごく好きだ。大平の“色”はJO1らしさが形作られていく中で大きな影響を与えている。彼がどのようなパートでどうパフォーマンスするのか(ワイルドに歌うのか、優しく歌うのかなど)によって、パフォーマンスの雰囲気がガラリと変化する。そのくらい彼はスペシャルな存在なのだ。
JO1|’We Alright’ PERFORMANCE VIDEO
『僕らの季節』
白岩瑠姫
この日、最後に披露されたのは最新アルバムのリード曲『僕らの季節』だ。センターはJO1の王子様こと白岩瑠姫。冒頭シーンでは、いつもより儚げな表情を見せていた白岩。同じ楽曲であっても、ステージごとに少しずつ変化を与えるパフォーマンスは見ていてとても面白い。
今回の『僕らの季節』で印象的だったのは、彼の表情が常に完ぺきであったこと。自分のパート以外でも、彼は常に表情管理を徹底していた。きっと彼は“見られている”という意識を強く持っているのだろう。あえて表情で魅せなくてもいいところ、例えば後ろの列で踊っているときなどは、ダンスだけでも十分見栄えの良いパフォーマンスになるのだが、そんなシーンでも彼は常に表情をつくっている。これはひとえに彼のプロ意識から生まれたものだろう。どんなときもファンに誠実であり続ける白岩らしい行動だと感じた。
鶴房汐恩
今回のパフォーマンスでも、いつにも増してシンクロした群舞を見せてくれたJO1。そんな中、とくに目を引いたのは鶴房汐恩のダンスパフォーマンスだった。もともと体を大きく動かすアクロバティックなダンススタイルだった鶴房。最近はダンスにキレが増し、よりスタイリッシュなスタイルに変化しつつある。『僕らの季節』では彼のダンスが、かなりしなやかになっていることに気が付いた。もともとの迫力ある大ぶりなダンスではなく、繊細でスッキリとしている線の美しいダンス。彼の表現の幅がさらに広がっているということを実感した。
彼もまた、佐藤と同じくファンの影響を強く受けるタイプのように思える。有観客ライブと今回の公演を見て、彼の表情やダンスにさらに情熱がこもっているように感じた。ファンを目の前にパフォーマンスすることの楽しさが、彼のパフォーマンスの質をより上げているのかもしれない。
與那城奨
與那城奨も着実に実力をあげているメンバーだ。彼はボリュームのある安定した歌声を出しながら、とてもきれいに、ていねいにダンスを踊っている。シンプルながらも着実にひとつひとつの動きをこなしていく彼の姿からは、実直さと勤勉さがうかがえる。
與那城の圧倒的なボーカルスキルは今回も大活躍だった。彼は縁の下の力持ちのようなパートが多いメンバー。彼のボーカル力が上がるにつれて、JO1のパフォーマンス全体のクオリティも上がっていく。今回のステージでも、彼のさらに成長したボーカルによってパフォーマンス全体に余裕が生まれ、完成度が高く洗練された仕上がりになっていた。
JO1|’僕らの季節’ Official MV
【おまけ】ファンサービス
ファンサービスいわゆる“ファンサ”についても、何人かのメンバーについて少し触れておきたい。最も目を引いたのは佐藤景瑚。彼は途中でファンにカチューシャをプレゼントするという特大級のファンサを見せた。それ以外の場面でも、彼は近くにいるファンから奥の方にいるファンまで、まんべんなく見渡し、手を振っていた。次に印象的だったのは大平祥生。彼は奥の席を中心に見ているようだった。優しい笑顔を浮かべながら愛おしそうにファンを眺める姿からは彼の並々ならぬJAM愛を感じた。
川尻蓮はひとりひとりのファンと目を合わせていたように思う。ファンとアイコンタクトをしながらうなづいていたのが印象的だった。河野純喜はファンを見ながらニコニコ。うれしさを隠し切れない様子で、終始かわいらしい笑顔をこぼしながら会場を眺めていた。途中では、あるファンに対して鹿のようなジェスチャーを見せたシーンも。奥の席までしっかりチェックし、出来るだけ応えようとしていた。
ファンに囲まれながら今回も最高のパフォーマンスを見せてくれたJO1。彼らの情熱あふれるパフォーマンスとよりレベルアップした実力に筆者も感動が止まらなかった。これからも11人のさらなる成長と活躍に期待したい。