時代を牽引する卓越した実力と、耳を引き付ける革新的な音楽で世界的な知名度をあげているStray Kids(ストレイキッズ)。現役のK-POPアイドルのなかでも特に海外人気が高いグループの一つとしても知られているStray Kidsは、2021年4月より放送されたサバイバル番組『KINGDOM:LEGENDARY WAR』で優勝。ATEEZやTHE BOYZ、SF9、iKON、BTOBと期待の注目株から往年の人気グループをおさえて、みごと“K-POPキング”の座を射止めた。
そんなStray Kidsはなぜ世界を魅了しているのか。グループの構成から、メンバーの性格まで彼らの魅力を徹底解剖する。
Stray Kids 誕生のきっかけは?
Stray KidsはJYPエンターテインメント所属の8人組ボーイズグループ。サバイバル番組『Stray Kids』を通じて結成された。同番組にはリーダーであるバンチャンが中心になって選抜したリノ、チャンビン、ヒョンジン、ハン、フィリックス、スンミン、アイエン、ウジン(2019年に脱退)が参加。厳しい審査を通り抜け、みごと2018年3月25日に全員でデビューを果たした。
【動画】『Stray Kids』第1話
Stray Kidsというグループ名前やロゴもバンチャンが考案。デビュー前から他のグループとは異なる独創性をみせていた。そんなStray Kidsというグループ名には、「従来の枠にはまらない自由奔放な魅力で、他のグループとの差別化された個性を表現していく」という意味が込められている。
Stray Kids メンバー構成
Stray Kidsのメンバーはバンチャン、リノ、チャンビン、ヒョンジン、ハン、フィリックス、スンミン、アイエンの8人。グループの楽曲制作を担当する3RACHA(バンチャン・チャンビン・ハン)、ダンスチームのDANCE RACHA(リノ・ヒョンジン・フィリックス)、ボーカルチームのVOCAL RACHA(スンミン・アイエン)と3つのチームに分かれている。
ちなみにこの3RACHA(スリーラチャ)とは、タイのチリソースであるスリラチャソースから来ているそう。過去のインタビューでバンチャンが名前の意味を聞かれた際、「僕たちもスリラチャソースみたいにホットだから」と冗談交じりに答えていた。
またRACHAとはスペイン語で「突風」という意味であることから、3RACHAには「3つの突風」という意味も込められている。このRACHAという言葉を応用して、DANCE RACHA、VOCAL RACHAというネーミングも考案されたのだという。
3RACHAがすごすぎる!
Stray Kidsが大きな注目を浴びている理由としてまず挙げられるのが、その音楽性の高さだ。最近では海外の音楽プロデューサーがアイドルに楽曲提供することも増えてきているが、Stray Kidsは基本的にバンチャン(CB97)、チャンビン(SPEARB)、ハン(J.ONE)からなる3RACHAがグループの楽曲を制作している。
彼らはStray Kids結成前からミックステープをリリースするなど、たくさんの音楽を一緒に作ってきた。彼らの人生や経験、そして赤裸々な気持ちを表現した楽曲には、彼らが世界中のStray Kids(迷える若者)に届けたいメッセージがストレートに込められており、そういった強いメッセージが言語の壁をも越え世界中の人の心を掴んでいるのだろう。
【動画】Bang Chan X Changbin X HAN | [Stray Kids : SKZ-PLAYER]
2020年を代表するヒット曲の一つでもあるStray Kidsの「神メニュー」の誕生秘話からも彼らの独創性がうかがえる。彼らの初のフルアルバム『GO生』のタイトル曲でもある「神メニュー」は、実はもともとアルバムに入れる予定ではなかったそう。また制作当時、すでに別のタイトル曲でリリースの準備が進められていたという。
【動画】Stray Kids “神메뉴” M/V
しかし、ある時、チャンビンがメンバーを集めてある曲を聴かせてくれたという。それが「神メニュー」だった。メンバーは初めてこの曲を聴いた瞬間に、“自分たちの個性が輝く曲だ”とピンときたそう。そこでチャンビンはメンバーにアルバムに入れるべきだとごり押しされ、だめもとでJ.Y.Parkに提出することになった。すると翌日、さっそくフィードバックがあり、まさかのGOサイン。「悩むことはない」「全てひっくり返してもいいから、最初からやり直せ」と激励され、アルバムのタイトル曲は「神メニュー」に急きょ変更された。これはJYPでは異例の出来事だという。
【動画】Stray Kids [INTRO “GO生”](該当のシーンは12:26~)
さらに3RACHAは『KINGDOM:LEGENDARY WAR』でも、Stray Kidsのすべてのステージの編曲を担当するなど、そのプロデューシングスキルの高さを証明。特にBLACKPINKの「DDU-DU DDU-DU」をカバーしたステージは、彼らのカラーを大爆発させた歴代最高レベルのパフォーマンスだった。
【動画】Stray Kids「神DDU-DU DDU-DU」(『KINGDOM』より)
Stray Kidsのライブステージは業界トップクラス
そのライブ(生歌)の上手さもStray Kidsがファンを魅了している理由の一つだろう。ここ数年でK-POPグループのダンスの難易度は急激にアップ。男女問わず、約3分間踊りきるのは至難の業ともいえる超ハードなパフォーマンスも少なくない。そんな中でも、Stray Kidsは常に生歌(音源に被せて歌うものを含む)でパフォーマンスを披露するように心がけているという。
【動画】Stray Kids – SLUMP -Japanese ver.- / THE FIRST TAKE
過去にリーダーのバンチャンがファンに口パクを疑われたときも、「ライブ(生歌)で歌わなかったら、Stray Kidsのステージじゃないよ」と断言。そして「まだ実力が足りない部分はあるかもしれないけど、必ずいつも歌おうと努力しています」とライブパフォーマンスにかける思いを語っていた。
そんなStray Kidsのライブの強さは、『KINGDOM』でも話題に。競演者たちはStray Kidsのパフォーマンスをみるたびに、「本当にライブが上手い」と彼らの実力の高さに脱帽していた。
輝く才能は努力のたまもの
圧倒的なカリスマ性とあふれでる才能、そして卓越した実力の持ち主であるStray Kidsだが、実はこれは彼らの努力のたまものなのだ。リーダーのバンチャンはK-POP界でも特に長い間練習生をしていたアイドルとしても有名。2011年にJYPに入所し、約8年間、GOT7やTWICEなど、先輩グループのメンバーと共に練習生活を送った。周りの人がデビューしたり、事務所を離れていく中、自分を信じ努力を続けたバンチャン。この8年間で培った経験が彼の実力と自信につながったのだろう。
またフィリックスとリノはデビュー前に放送されたサバイバル番組『Stray Kids』で一度、脱落を経験している。元々、BTS(防弾少年団)のバックダンサーだったリノは「成長がみられない」という理由でデビュー候補生から外された。また当時、オーストラリアから移住してきたばかりのフィリックスは、「韓国語が聞き取れない、韓国語のラップも流ちょうではない」という理由で脱落してしまった。しかし2人は脱落後も諦めずに練習を続けた。その熱心な姿勢が認められ、最終的にデビューメンバー入りを果たした。
【動画】『Stray Kids』7 or 9 最終デビューメンバーは?
今やグループを代表する実力派ダンサーであるヒョンジンも始めからダンスが得意だったわけではない。練習生時代に周りの人から「ヒョンジンはビジュアルがいいからデビューできるよ」と言われたのが悔しくて、誰よりもダンスを練習。その結果、高いダンススキルを身に着け、Stray Kidsのメインダンサーに抜擢された。
末っ子チームがみせる個性豊かなボーカル
Stray Kidsのボーカルラインはとても個性豊か。まずグループのメインボーカルを務めているスンミンはダンディーな深味のあるボーカルが特徴。とても真面目なスンミンは今でもボーカルのレッスンを受けているそうで、その実力を伸ばし続けている。『KINGDOM』でBTOBのウングァン、ATEEZのジョンホと一緒に披露したIUの「Love Poem」のステージでは、その甘美な歌声を惜しみなく披露。誰もが聞き惚れてしまう美しいボーカルを響き渡らせた。
末っ子のアイエンは一度聴いたら耳に残るようなユニークな高音ボイスが特徴。トロット(韓国の演歌)が好きだということもあり、高い歌唱力の持ち主だ。強い存在感を放つ彼の歌声は、Stray Kidsの楽曲に他にはない独特なアクセントを加えている。
またラップ担当のハンも実は超実力派のボーカリスト。スキルフルなラッパーでありながら甘美な歌声を持つハンは、その歌唱力を活かし、リードボーカルも務めている誰もが認めるオールラウンダーだ。
【動画】Stray Kids – Story That Won’t End, @Show!MusicCore 20191221
楽曲制作できるのは3RACHAだけじゃなかった!
Stray Kidsの強さとして3RACHAのすごさは前述したが、実は3RACHA以外のメンバーも楽曲制作に積極的にかかわっている。そんな彼らの才能が発揮されたのがStray Kidsの公式YouTubeにて公開されているコンテンツ『Two Kids Song』。事前にバンチャンが用意したトラックに、2人ずつペアを組んでメロディを付け、楽曲を完成させるという企画だ。
【動画】[Two Kids Song(투키즈송)] Ep.01
同コンテンツでは普段見ることはできない、超レアな3RACHAの作業工程が公開され、話題になった。そんななか、特にファンの注目を集めたのは3RACHAのメンバーなしで楽曲制作をすることになったヒョンジンとスンミンのペア。作詞作曲を学んでいるというヒョンジンを中心に作業を進め、彼らの日常を切り取ったかのような、2人にしかできない魅力を詰め込んだ楽曲を作り上げたのだ。
もちろん他のペアの楽曲もすばらしく、それぞれの個性が輝いていた。完成した音源がYouTubeに公開されると、そのクオリティーの高さから公式なリリースを望む声が殺到した。
【音源】Two Kids Song完成版 |チャンビン&アイエン、ヒョンジン&スンミン
【音源】Two Kids Song完成版 |バンチャン&フィリックス、リノ&ハン
あたたかい人柄にも感動
アイドルには技術面だけでなく、人格も重要視するJYPエンタ所属ということもあり、Stray Kidsは超がつくほどのいい子たちとしても有名。アンチコメントもほめ言葉として受け取るほど寛大な心を持つバンチャンは、常に周りの人への配慮を欠かさない。定期的に実施している自身の生配信でも、「STAY(Stray Kidsのファン)のなかではみんなを尊敬して、それぞれがとても重要な存在なんだと考えて振る舞ってほしい」と呼びかけるなど、常にファンに模範的な姿をみせている。
またお菓子作りが好きなことでも知られているフィリックスは、ブラウニーやクッキーを焼くときは、メンバーだけでなく、いつも周りの世話をしてくれるスタッフの分も用意。カムバック活動で忙しいときでも、みんなががんばっている分、自分も何か力になりたいと手作りのブラウニーを振る舞う姿からは、彼の天使のような優しさがあふれているとファンの心を溶かした。
【動画】[Stray Kids : SKZ-TALKER(슼즈토커)] Ep.27(該当シーンは7:00~)
メンバー紹介
ここまでStray Kidsというグループについて紹介してきたが、ここからは個人にフォーカスして個性あふれるメンバーを1人ずつ紹介する。
バンチャン(BANGCHAN)
本名:バン・チャン/英語名:クリストファー・バン
生年月日:1997年10月3日
出身地:オーストラリア・シドニー
ポジション:リーダー、サブボーカル、リードダンサー、サブラッパー、
Stray Kidsのリーダー バンチャンは、ボーカル・ダンス・ラップ・プロデュースまでこなすオールラウンダー。2011年にJYPエンタに入所し、それから約8年間、練習生としてトレーニングを積んできた努力家だ。
そんな彼はとても寛大であたたかい心の持ち主で、Stray Kidsのお父さん的な存在。オーストラリア・シドニーで生まれ育ったため英語も堪能。またTWICEのサナやモモ、ミナなど、日本人メンバーととても仲が良いことから、日本語も上手でナチュラルに飛び出す関西弁も魅力だ。
【動画】Stray Kids バンチャン「神メニュー」パフォーマンス映像
リノ(LEE KNOW)
本名:イ・ミノ
生年月日:1998年10月25日
出身地:韓国・京畿道金浦市
ポジション:メインダンサー、ボーカル、ラッパー
リノの名前の由来は名字の「Lee」と、みんなを理解したいというという気持ち「know」から名付けられた。Stray Kidsとしてデビューする前は、BTS(防弾少年団)のバックダンサーを務めていただけあり、そのダンスの実力は折り紙付きだ。
また、端正な顔立ちの持ち主であることから、「踊る宝石/彫刻」とも呼ばれている。一方、リノは予測不可能な言動も多く“4次元キャラ”としても知られている。強気な発言も多いが、実は謙虚でフレンドリーな一面もあるそうだ。
【動画】Stray Kids リノ「Easy」パフォーマンス映像
チャンビン(CHANGBIN)
本名:ソ・チャンビン
生年月日:1999年8月11日
出身地:韓国・京畿道龍仁市
ポジション:メインラッパー、ダンサー
チャンビンはラップ力を競い合う番組『Show Me The Money5』に出演したことがキッカケでJYPに入所。プロのラッパー顔負けの卓越したラップスキルの持ち主だ。
少しダークな雰囲気を醸し出す彼だが、実は愛嬌あふれるかわいらしい性格の持ち主。その愛くるしい性格からメンバーにとても愛され、年下メンバーとじゃれ合っている姿もよく見られる。
【動画】Changbin (Feat. Bang Chan) “Streetlight” | [Stray Kids : SKZ-PLAYER]
ヒョンジン(HYUNJIN)
本名:ファン・ヒョンジン
生年月日:2000年3月20日
出身地:韓国・ソウル特別市
ポジション:メインダンサー、サプラッパー、ビジュアル
Stray Kidsの絶対的エース ヒョンジン。キリッとした切れ長の目が特徴で、まるでアニメキャラクターのように整った顔立ちを持つメンバーだ。またどんなコンセプトの楽曲でも、その世界観を上手く表現することができる憑依型のアイドルとしても注目を集めている。
そんなヒョンジンはその魅惑的なビジュアルから一見クールそうにみえるが、とてもあたたかい心の持ち主。また赤ちゃんのようなかわいらしい話し方とのギャップにメロメロになってしまうファンも多い。
【動画】Stray Kids ヒョンジン Red Velvet「Psycho」カバーパフォーマンス@MusicBank 200626
ハン(HAN)
本名:ハン・ジソン
生年月日:2000年9月14日
出身地:韓国・仁川広域市
ポジション:リードラッパー、リードボーカル
ハンは韓国出身・マレーシア育ちのメンバー。ラッパーでありながら、とても歌唱力が高くリードボーカルも務めている。女性のキーとも言われるほど高難度のプレデビュー曲「Hellevator」で披露したキリングパートでは、彼の実力の高さが発揮されている。
メンバーといるときはとても明るく、その場を盛り上げるムードメーカーだが、実はとても人見知り。世界一幸せな動物とも言われているクアッカワラビーに似た、愛らしいビジュアルの持ち主だ。
【動画】Stray Kids “Hellevator” M/V(該当シーンは2:20~)
フィリックス(FELIX)
本名:フィリックス・リー/韓国語名:イ・ヨンボク
生年月日:2000年9月15日
出身地:オーストラリア・シドニー
ポジション:サブラッパー、リードダンサー、ビジュアル
フィリックスはバンチャンと同じくオーストラリア出身のメンバーで英語が堪能。まるで妖精のようなかわいらしいルックスからは想像がつかないディープな低音ボイスが特徴で、その魅力的な声を活かして楽曲にインパクトを与えるキリングパートをまかされることも多い。
そんなフィリックスは天使のように心やさしい性格のアイドルとしても有名。フィリックスと関わった人はみんな彼を好きになると言われるほど、とても人懐っこく、礼儀正しい人だそうだ。
【動画】Stray Kids フィリックス「Back Door」パフォーマンス映像
スンミン(SEUNGMIN)
本名:キム・スンミン
生年月日:2000年9月22日
出身地:韓国・ソウル特別市
ポジション:メインボーカル
スンミンは力強く温かみのある甘美な歌声が特徴的なメンバー。2017年2月に開催されたJYPの公開オーディションで2位を獲得するなど、その実力の高さは折り紙付きだ。
スンミンはかわいらしい無邪気な笑顔が特徴で、とても真面目で誠実な性格だが、意外にいたずらっ子な一面もある“犬系男子”だ。事務所の先輩グループ DAY6の大ファンで、ファンからは「MYDAY(DAY6のファン)代表」とも言われることもある。
【音源】Stray Kids スンミンーDAY6「You Were Beautiful」カバー
アイエン(I.N)
本名:ヤン・ジョンイン
生年月日:2001年2月8日
出身地:韓国・釜山広域市
ポジション:リードボーカル
アイエンは、Stray Kidsの愛されマンネ(末っ子/最年少)。ユニークな高音ボイスを活かした伸びやかな歌声が特徴だ。キリッとした目と大きな黒目の持ち主で、スタイリッシュで洗練されたビジュアルと、赤ちゃんのような愛らしい笑顔のギャップのトリコになっている人も多い。
アイエンは年上メンバーたちに溺愛されており、彼の周りには常に他のメンバーが集まっている印象だ。
【動画】Stray Kids I.N 「Maknae on Top」 (Feat. Bang Chan, Changbin)
そんなStray Kidsの魅力をギュッとおさめた曲が、Stray Kidsの日本1stミニアルバム『ALL IN』に収録されている楽曲「FAM」。軽快な音楽に合わせて、一人ひとりがメンバーを紹介し合う歌詞になっている。
【動画】Stray Kids 『FAM』 Lyric Music Video
(なお、2019年にStray Kidsの最年長メンバーであったウジンがグループから脱退。現在は10x Entertainmentに所属し、ソロアーティストとして活動している。)
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