BTS(防弾少年団)のリーダー RM(キム・ナムジュン)が、全英語歌詞で歌うことについての心境を明かした。
BTSは2020年8月に自身初となる全英語詞の新シングル「Dynamite」をリリース。世界を元気づける明るく前向きな楽曲は、アメリカでもっとも権威のあるシングルチャート「HOT 100」で初登場1位を獲得。33週間チャートインを果たすなど、大ヒットを記録した。
【動画】BTS (방탄소년단) ‘Dynamite’ Official MV
さらに「Dynamite」はアメリカ最高峰の音楽授賞式『グラミー賞音楽授賞式』でベストポップデュオ/グループ部門にノミネートされるなど、歴史的快挙も達成した。これまでにないBTSの活躍ぶりに世界中のファンから祝福のコメントが大量に寄せられるなか、一部、疑問の声も寄せられている。
というのも2019年、BTSは世界の音楽市場に合わせてすべて英語で歌うこと(全英語歌詞)は自分たちのアイデンティティを変えることになると語っていたのだ。
「僕たちは1位を取るために自分たちの誠意やアイデンティティを変えたくありません。突然、僕たちがすべて英語で歌ったり、他のすべてのことを変えたら、BTSではなくなってしまいます。僕たちは全力で尽くします。しかし、1位や5位を取れなくてもいいんです」(RM)
そんな中、BTSは5月21日に「Dynamite」に次ぐ、2枚目の全英語歌詞のシングル「Butter」をリリースすることを発表した。「BTSはもう韓国語では歌わないの?」と疑問に思うファンのいるなか、RMが英語曲をリリースすることに対して、率直な意見を米Varietyのインタビュー(2020年10月2日掲載)のなかで語っている。
RMは、これまで“韓国語で歌うことが彼らのアイデンティティ”だと思っていたそう。しかし、コロナ禍で様々な状況が変わり、彼自身の心境にも変化があったと説明した。
「たしかに、過去のインタビューでは英語で歌ったらBTSではなくなると語りました。その時は本当にそう思っていて、素直な気持ちでした。
今はたくさんのことが変わったことを認めないといけません:新型コロナウイルスやパンデミック、ステージに立つこともできず、コンサートも開催できなくなりました。多くのことが変わり、僕の考えや気持ち、僕自身も変わりました。そして今、『Dynamite』というクレイジーな作品が生まれんです。僕が言えるのはそれだけです」(RM)
RMによると、「Dynamite」は元々違うタイトルで、歌詞も韓国語にしようと考えていたという。しかし、あまり上手くいかず、英語詞のままリリースすることになったそうだ。
「最初に『Dynamite』を聴いたとき、タイトルは別のもので歌詞も韓国語にしようとしていました。ラップパートを書いてみたりしたのですが、上手くいかなかったんです。それで、Ok、じゃあこのままにする?やってみよう!2020年だし、クレイジーなことに挑戦してみる?ってなりました」(RM)
またRMは英語と韓国語の音楽には、それぞれ異なる魅力があり、これを上手く組み合わせたことでBTSの音楽に新鮮な要素が加わったと語っている。
「僕は歌詞を書くとき、いつも深い考えや異なる懸念、混乱があって、これを英語や韓国語でもやらなければならないのかと思いました。韓国語で“お腹がすいた”という時は“ペゴパ”と言いますが、音も言葉の波も全然違います。それぞれ独特な質感があるため、韓国語であっても、英語であってもその独自の“波や質感”を残すべきだと思います」(RM)
もちろんBTSは、今後も韓国語をメインに楽曲制作をつづけていく。しかし、韓国語で歌わなければいけないと制限せずに、より高い音楽性を求めていくという気持ちに変わったようだ。