4月17日、JO1は『3RD SINGLE「CHALLENGER」リリース記念オンラインショーケースイベント』を開催。新曲に関するエピソードトークや収録曲のパフォーマンスが行われた。
今回は彼らが披露した「Born To Be Wild」、「Speed of Light」、「伝えられるなら」のステージについてレポートしていきたい。
「Born To Be Wild」
最初に披露したのは、リード曲「Born To Be Wild」。河野純喜の力強い歌声と、大平祥生の凛とした視線でスタートするこの楽曲。冒頭、全員で2歩前に踏み出す振り付けの一体感が、このパフォーマンスへの期待を高める。
まず、目を引いたのはリズムに合わせてメリハリのある動きを見せる豆原一成だ。決めてほしいところで期待以上の“音ハメ”を見せてくれる彼のダンスは、見ていて清々しい。オールラウンダーとして、歌・ダンス・ラップ全ての才能を輝かせている彼だが、経験値が高いこともあってか、やはりダンスの腕前が格別だ。彼だけの、力強くエネルギッシュなダンスは見ていて飽きない。
続く金城碧海もキレのあるパワフルなダンスを披露。ダンス歴の長い豆原の後に踊っても見劣りしない、レベルの高いダンスと、安定した歌声で曲に勢いをつけている。金城は昨年の成長が著しかったメンバーの1人だ。歌・ダンスともにまだ経験が浅いが、並外れたセンスとたゆまぬ努力で急成長を遂げている。今回の楽曲でもさらに成長したダンスと歌で驚かせてくれた金城。エンターテイナーとして、どんどん洗練されていく彼がこれからどのような進化を遂げるのか、楽しみでならない。
3RDシングルのために髪色をピンク色に変えた白岩瑠姫。彼は一瞬で見る者の心を奪う才能がある。『Keep on running Keep on driving yeah』の部分では、カメラを見つめながら、軽やかに手を動かしている彼。その美しさたるや、この世のものとは思えない美貌。髪色が明るいこともあり、まるでマンガから飛び出してきた主人公のような輝きを放っている。
鶴房汐恩のパート『Let’s ride Lala like Piyong』はこの曲のポイントの1つだろう。思わず一緒に歌いたくなるこのパートでは、彼の表情管理に注目してほしい。少し目を細めながら、ルーズな雰囲気でカメラに近づく鶴房。『Piyong』で手をはじいた直後、キラキラの瞳が目を引くかわいらしい表情はファンの心をつかんだことだろう。
これはデビューした当初から変わらないことだが、鶴房のパフォーマンスからは、ひとつひとつのステージを“特別”にしようという意識を感じる。同じパートでもステージ毎にコロコロと表情を変える彼の芸の細かさは、唯一無二のパフォーマンスを作り上げている。
今回のステージを見て改めて気づいたのが、與那城奨の“調和力”だ。この曲では、彼特有の色気と、曲のエネルギッシュさが絶妙なバランスで混じり合い、みごとな相乗効果を見せている。與那城の歌声や雰囲気は、どちらかというと重厚感があり上品なイメージだ。しかし、この曲では声や表情に軽やかさを足すことで、爽やかでライトなセクシーさを生み出している。一方で、歌声の力強さはそのままに残しているため、「Born To Be Wild」のパワフルなコンセプトとも非常にマッチしている。
実は、この調和力の成長を見せたメンバーがもう1人いる。そのメンバーが木全翔也だ。彼は“憑依型アイドル”と呼ばれている人物。これまで、コンセプトの色に合わせて自分自身を変化させてきた。しかし、今回のパフォーマンスでは、彼自身の“色”が見えたように思う。つまり、曲のコンセプトの中に自身の個性を落としこんでいるのだ。木全のラップパートに入ったとたん、彼特有の透明感が広がり、曲全体の雰囲気に変化を与えていたように見えた。
この曲ではセンターを務めている河野純喜。パフォーマンスのたびに並外れた歌唱力が話題になる彼だが、ここでも圧巻のパフォーマンスを見せている。彼のパワフルな高音はいつ聞いても気持ちがいい。これだけ激しいダンスを踊っているなかで、あれだけの声量と安定感を出せるとは、一体どれだけ練習をしているのだろうか。その努力は計り知れない。
「Born To Be Wild」のパフォーマンスを語る上で欠かせないのが大平祥生の存在だ。冒頭シーン、凛とした表情で目を奪った彼は、後半、自身がセンターに来るシーンでパフォーマンスの空気をガラッと変える。繊細な華やかさを持っている大平。キレのあるターンでセンターにやってくる姿からは、華やかさだけでなく芯の強さも感じられる。彼だけの特別な美しさはステージをより上品に仕上げている。
「Speed of Light」
2曲目は「Speed of Light」。力強いダンスと洗練された音楽が魅力のこのステージでは、あるメンバーの声の美しさに驚いてしまった。そのメンバーとは、川西拓実だ。
デビュー後、高音パートを任せられることが多かった川西。新シングルのリード曲「Born To Be Wild」でも安定した歌声を聞かせている。しかし、この楽曲における川西の歌声は、これまでの楽曲とは一線を画す芸術的な美しさを持っているように思う。いつもの歌声を、安定感と繊細さを持ち合わせている声とするならば、この曲の『Timeʼ s ticking waiting for us』の部分では、かなり“繊細さ”に重きを置いた声で歌っている。ハスキーでありながらも透明感のある彼の声は、それまでの緊張感のある雰囲気を一変し、幻想的な空間を生み出している。
しかし、彼の本当にすごいところはその“引き出しの多さ”だ。この曲ではラップパートも担当している川西。さきほどの儚い歌声とは一転、ここではハイトーンラップを披露し、曲にスパイスを加えている。ちなみに、彼はJO1公式YouTubeで公開された「ATELIER : ‘Get Back’」でもハイトーンラップを見せている。「Speed of Light」でのラップは、このときの歌い方に、力強さが加わったような歌い方だ。
JO1|ATELIER : ‘Get Back’ – (SHOSEI / TAKUMI / SYOYA / SHION)
高音ボイスと言えば、佐藤景瑚の存在も欠かせないだろう。デビュー初期から安定した高音を聞かせていた佐藤。デビューから1年が経った現在では、より自然で余裕のあるハイトーンボイスを披露している。『過去よりも未来を』のパートでは、どこか温かさを感じさせる清らかな歌声に注目だ。
そして、やはりこの曲でも與那城奨、河野純喜、金城碧海のボーカルメンバー達が強い。激しい曲調に負けない声量と迫力を持つ彼らの歌声。包み込むような深い歌声の與那城、突き抜けるようなパワフルボイスの河野、曲に変化を与えるミラクルボイスの金城と、三者三様の個性的な声で作り上げる厚みのあるボーカルが、曲の魅力をより高めている。
見るたびに思うが、川尻蓮のダンスは本当に美しい。何度見ても圧倒されてしまう。しなやかなウェーブとキレのある動きの緩急や、一瞬のすきもない表情管理。ひとつひとつの動作すべてが美しい。
もともとダンスがそろっているJO1だが、彼がセンターに来ると、全体がより引き締まった印象になる。この曲に限らず、どんなステージでも質の高いダンスを見せる川尻からは、“ダンスリーダー”としてのカリスマが感じられる。
「伝えられるなら」
前に披露した2曲とは異なり、ワンカットで撮影された「伝えられるなら」。ここでは、メンバーたちがかわいらしい笑顔と真心こもった歌声を披露。明るくゆったりとした曲であるためか、どのメンバーもダンスパフォーマンス時よりもリラックスした姿で、安定したボーカルを聞かせた。
さらにレベルアップする音楽とパフォーマンス、見えてきたJO1の新たな顔
今回のパフォーマンスで感じたのは、曲とダンスの難易度がかなり上がってきているということだ。メンバーたちが成長していくのにつれて、音楽とパフォーマンスも高度なものに変化している。そして、その変化の過程で、JO1の新たな顔が見えてきた。それは、大平をセンターにしたダンスブレイクであったり、川西のハイトーンラップであったり、様々な部分に現れている。JO1はこの3RDシングルを通して、2020年では見られなかった新たなスタイルを確立しつつあるのだ。
見るたびに、着実な成長と新たな挑戦を見せている実力派アイドルJO1。彼らの勢いはまだまだ止まらない。