3月25日、JO1が「KCON:TACT 3」に出演。約30分間のパフォーマンスステージを披露した。
今回はパフォーマンスした「Shine A Light」「MONSTAR」「伝えられるなら」「Born To Be Wild」のステージについて、メンバー1人1人に注目しながらレポートしていきたい。
Shine A Light
彼らが最初に披露したのは「Shine A Light」。まず、驚いたのは川尻蓮のハリのある高音だ。彼はこの楽曲でサビのパートを担当している。デビュー曲「無限大」、2NDシングルリード曲「OH-EH-OH」と、徐々に高い音域のパートを任されるようになった川尻。もともとはダンサーとしての高い能力を買われていたメンバーだったが、デビューしてからはボーカルの成長もすさまじく、「Shine A Light」ではメインボーカルにも負けない安定した歌唱力を見せた。
高音の美しさに驚いたのは川尻だけではない。リーダーかつメインボーカルを担当している與那城奨。彼の声も、温かみのある声色はそのままに、より力強い発声に変化していた。
また、金城碧海や豆原一成、ラップを担当した鶴房汐恩や木全翔也も、これまでよりもさらに声が安定していたように感じた。中盤、豆原パートの「世界何より」では最後まで伸ばしきった力強い高音が印象的だった。
木全パートの「あふれ出す感情」はいつもよりも落ち着いていてシックな印象。音ひとつひとつのテンポを丁寧に合わせているように見受けられた。
全体的に生歌の声が非常に大きかったというのがこの曲を通しての感想だ。過去のステージから着実にボーカル力が成長していることを感じた。どのメンバーも、声量はもちろん高音の安定感もかなりアップしたのではないだろうか。
MONSTAR
2曲目は「MONSTAR」。冒頭、「I’m the one」と繰り返す部分では、やはり河野純喜の存在感が大きい。2月28日に開催された「第 32 回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2021 SPRING/SUMMER」でのステージでも話題になっていたが、彼は特段に表情演技が上手い。元々の顔つきが都市的でクールなこともあってか「MONSTAR」のような曲との相性が良いようだ。少し目を細めた、睨みつけるような視線と、キレのある腕の動き。この2つが同時に行われることで彼のパフォーマンスの質がグッと上がっている。
デビュー当時から河野の表情演技には注目していたのだが、1stアルバムを発売したころからだろうか、ダンスの実力がグッと成長した彼は、表情とダンスの2つを効果的に組み合わせることによって、一瞬で人を惹きつける仕草・動きを見せることが多くなった。今回の「MONSTAR」の冒頭部分もそのうちの1つだ。曲のコンセプトへの理解力と表現力の高さがうかがえる。
次に印象的だったのは豆原一成の“カメラをとらえる力”だ。カメラマンとの呼吸がピッタリ合っており、ぎこちなさが全くない自然な動きを見せた豆原。カッコよさを追求しながらも“やり過ぎ感”のないナチュラルな動き、表情を見せることは、観客をよりパフォーマンスに没入させる効果がある。彼はそのバランスのとり方が非常に上手い。
サビ部分、中央に来て歌うパートのうち「目を覚ましたら」の部分では、カメラが次のアングルに切り替わる直前まで顔を正面に残している豆原。最後の一音で表情に変化を取り入れているのもポイントだ。一瞬だけ柔らかい表情を入れることで、見る者をグッと引き込む。
この曲全体については、メンバーたちの表情が常に少し険しい表情でキープされているのが印象的だった。その表情による一体感だろうか、全員が1つのコンセプトイメージを共有しているような、統一感を覚えた。
11人の表情の温度がそろっている中、アクセントを入れたのは鶴房汐恩と佐藤景瑚。ピンと張りつめた緊張感の中、自身のラップパートで笑顔を見せた鶴房。それまでの切なく悲しいような空気に、余裕を感じる笑みを落とすことによって一気に曲の雰囲気を変化させている。
また佐藤も自身のパートで見せる絶妙な表情が魅力的だ。ダークな空気の中、どこか儚さを感じさせるおぼろげな視線でカメラを見つめた佐藤。その瞬間、まるで闇に飲まれそうになったとき降り注いだ一筋の光のように、他のメンバーたちとの美しいコントラストが生まれている。
伝えられるなら
続いては「伝えられるなら」。見るたびに思うが、この冒頭に出てくる川西拓実の顔が本当にいい。さらにそこから続く“イケメンのとなりにまたイケメン”現象も最高だ。様々なタイプのイケメンが集まっているグループとしても知られているJO1だが、この曲の冒頭シーンでは顔の良さが存分に発揮されている。
こちらの曲では、先ほどの「MONSTAR」と比べるとメンバーごとに個性のある表情が見られたように思った。ニコニコの満面の笑みを浮かべる人がいればニコッと軽く微笑む程度の人も。メンバーそれぞれがイメージする“幸せの表情”があるのだろうと感じた。
冒頭のビジュアルの良さもさることながら、今回は川西のボーカル力にも魅了されてしまった。彼もステージのたびに高音の安定感が増している。ダンスもボーカルもラップもすべて出来るJO1きっての万能メンバー、川西。その裏には想像できないほどの努力が隠れているのだろう。オールラウンダーの今後の成長が楽しみだ。
個人的には、終盤の與那城パート「固く握ったその手離さないから」を見てしみじみとした気持ちになった。リーダーとしてデビューからメンバーたちをまとめ支えてきた與那城。他のメンバーたちが楽しそうに踊っている中央で與那城が歌うこのシーンを見ると、彼とメンバーたちの関係性が映し出されているように思え、感慨深くなってしまう。
Born To Be Wild
今回が宇宙初パフォーマンスとなった「Born To Be Wild」のステージ。前日3月24日にMVが公開され話題沸騰中での初パフォーマンスということで、ファンからも期待が高まっていた。
JO1|’Born To Be Wild’ Official MV
冒頭、河野純喜のアップからの大平祥生のアップ。「これが2021年のJO1なのか」とハッとしたシーンだ。これまで、中盤部分に登場することが多かった大平。彼が序盤で存在感を放つということに対する、ときめきとワクワクが止まらなかった。
「Born To Be Wild」における大平の存在はJO1に新たな色を加える、ある種のアクセントと言える。彼だけが持つ、しなやかでありながらも芯の強さを感じる美しさは、JO1のパフォーマンス全体に大きな影響を与える。それが如実に現れているのが、後半の彼がセンターにやってくる部分だ。このシーン、大平を起点に次々とメンバーが振り返りダンスを合わせていくのだが、この“JO1が大平を中心に動き出していく”姿に革新を感じる。このパートを見るだけで、2021年のJO1は一体どう進化するのだろうか、とワクワクしてしまうのだ。
白岩瑠姫も大平と同じように曲に変化を与えている。まずはサビ前の、金城のクールな声のあとに続く白岩の声。全く声質の違う2人の声の温度差によって、サビに向けた盛り上がりが一層増している。そして白岩が中央を歩きながら歌う「もう何も怖くないさ」のパートでは、曲における“静と動”の“静”の役割を果たしつつも、白岩の持つキラキラとした空気感がアクセントとなっている。
ここまで「Born To Be Wild」における“新しさ”に注目したが、新しい挑戦に身を投じられるのはそれを支えるだけの安定感があるからだという点にも触れておきたい。
圧倒的な歌唱力でボーカル面を引っ張る河野、ダンスリーダーとして全体のパフォーマンスを引き締める川尻、終盤の盛り上がりの中で芯となっている豆原。デビュー当時から、安定したスキルをもっていた彼らに加え、この楽曲では、木全、そして金城も曲全体の安定感を保つのに大きな役割を果たしているように思う。
元々はボーカル志望だったものの、才能を見初められラップ担当になったという木全。彼はいい意味でクセがなく、曲に合わせた最適なテンションと声色でラップをする。つまり、曲に染まるのがとても上手なのだ。曲の良さを引き出すラップ、そんな木全のラップが曲全体のテンションを整えているように感じた。
一方、金城はボーカル面での成長が著しいメンバーとして注目していた人物。昨年は、新たな曲を発表するたびに、パートが増え音域も広くなっていた。声量も音域も伸びた彼は、今や曲を支える頼もしいボーカルメンバー。今後、彼の存在感はさらに大きくなっていくのではないかと予想している。
2021年のJO1は・・?
ボーカル・ダンス・ラップ、その他さまざまなスキルが成長したメンバーたち。その成長した姿で、彼らは2021年のJO1をどう形作っていくのだろうか。これからの活動にも目が離せない。