人気K-POPボーイズグループSEVENTEENが、10月19日にスペシャルアルバム「; [Semicolon]」でカムバックすることが明らかに。
10月5日、SEVENTEENの所属事務所Pledisエンターテインメントと、SEVENTEENの公式SNSを通じて公開されたアルバムのタイトル名「; [Semicolon]」とティーザービデオ。ファンたちの間では、アルバム名に託された意味と、ティーザーに暗示された意味の解析で大いに賑わっている。今回は、そんな考察の中のいくつか紹介していく。
アルバム名「; [Semicolon]」に対する考察
まず、カムバックの発表とともに話題となったのが、アルバム名である「; [Semicolon]」の意味だ。
「 ; (セミコロン)」とは、英語の文章において .(ピリオド)と ,(コロン)の間に位置する記号で、文章自体は一旦途切れるが、その後さらに説明などを続ける時に使われる記号だ。
ティーザー内で登場した英文の1つから、この「 ; 」の意味を知ることができる。
Take a break, There’s a long journey ahead of you.
訳:少し休め、この先長い旅路が待っている。
この「休め」の部分が、今回のアルバム名「 ; 」が意味するところであることが推測できる。そして「この先長い旅路が待っている」の部分は、SEVENTEENの今後の活動や、ファンたちと共にする人生を意味しているのだろう。
今回のアルバムは、これまでのSEVENTEENの物語に一旦区切りをつける役割と、今後のさらなる飛躍のための「小休憩」の役割を担うものだ、というのがファンたちの大方の考察だ。
また「 ; 」を、シンボルとして活動する非営利団体「Project ;(プロジェクト セミコロン)」との関連性を考察するファンもいる。
「Project ;(プロジェクト セミコロン)」は2013年に設立されたアメリカを拠点とする非営利団体で、アメリカを中心に世界の自殺率を下げることを目標に活動している。
団体のシンボルある「 ;(セミコロン)」の意味を、団体は
セミコロンは、筆者が書いている文章を終わらせることもできるが、あえてそうしないときに使う。(ここで)“筆者”とはあなたであり、“文章”はあなたの人生を意味する。
と説明している。
今回のアルバムは、SEVENTEENのメンバーたちが「“青春”を終わらせることもできるが、そうしない」という意味を込めたアルバム名なのではないかというのが、この説を考察するファンたちの意見だ。
SEVENTEENの楽曲「Pretty U」「CLAP」「Left & Right」との関連性
今回公開されたティーザーには、ファンたちが「どこかで見たことある」と感じれるような場面がいくつか存在していた。その既視感は、SEVENTEENの楽曲「Pretty U」「CLAP」「Left & Right」に登場するシーンやアイテムからきている。
「Pretty U」
まずは、SEVENTEENの楽曲「Pretty U」との関連性だ。今回、公開されたティーザーで登場したボーリング場のシーンは、まさに、SEVENTEENの楽曲の中でも、一際「青春」のイメージが強い「Pretty U」のMVのワンシーンを彷彿とさせる場面だ。
また今回公開されたティーザーでは、メンバーたちが楽しくグラスを掲げはしゃぐ姿が映されているが、このシーンが「Pretty U」で出てきたこのシーンとの類似をあげるファンもいる。
「Pretty U」では、ジャンクフード店でケチャップやマスタード、フライドポテトを投げ合っっていたメンバーたちが、今回のティーザーではお酒と思われる飲み物を掲げていることから、ファンたちは「SEVENTEENの成長が感じられるような演出にしているのでは」と考察している。
「CLAP」
今回のティーザーの中で、メンバーのウジが“招待状”を開く場面が、「CLAP」のMVを連想させるというのだ。
他のシーンが、モノトーンや、暗めの雰囲気で統一され、衣装などもレトロを感じられるスーツ姿が多い。しかしこのシーンは、背景などが明るく、使われている色もオレンジやショッキングピンクなどと鮮やかで、ウジの着ている衣装も「現代風」だ。
この部分に注目したあるファンが、SEVENTEENの「CLAP」のMVに登場する背景と比較している。
今回のティーザーと「CLAP」のMVとの関連から、一部ファンたちの中では、「; [Semicolon]」は「メタフィクション」的な作品になるのではないかという推測がされている。
メタフィクションとは、小説やフィクションのドラマや映画などで用いられる表現技法の一つで、フィクションをフィクションとして扱うことで、フィクションとノンフィクション(現実世界)を意図的に交わらせる手法のことだ。
例えばドラマで、登場人物がいきなりカメラ目線になり、「これをご覧のみなさんは、この状況をご理解いただけただろうか」といったように、フィクションの中の人物が、自分たちをフィクションと自覚し、視聴者に問いかけるというのは、メタフィクションの表現の一つだ。
「CLAP」のMVでも、この「メタフィクション」の手法が用いられている。
「CLAP」のMVでは、SEVENTEENメンバーたちが、「SVT Inc.」の社員に扮し、これまでのSEVENTEENのMVを制作している様子が描かれている。
SEVENTEENのメンバーという「ノンフィクション」が、「CLAP」のMVという「フィクション」の中で、SEVENTEENのそれまでのMVの内容を「フィクション」として扱う、という複雑なメタフィクションの手法が用いられているのだ。
「; [Semicolon]」では、セミコロンの持つ本来の意味である「一区切りだが、継続していく」に則った、SEVENTEENのこれまでの物語を「メタ的に」振り返る、そんな作品に仕上がるのではないかという予測だ。
「Left & Right」
ティーザー内で登場したメンバー エスクプスのシーンでは、シルバーの車がレンガの壁に追突している様子が見て取れる。
このシルバーの車とレンガの壁の組み合わせは、SEVENTEENの韓国での前作「Left & Right」にも登場する。特に、エスクプスは「Left & Right」のMVの最後、このシルバーの車に乗って空中間に出発し、墜落するシーンの主役だ。
レンガの壁も「Left & Right」のMVのセット登場し、「Left & Right」のMVでは、「DO YOUR BEST BUT MAYBE NOT SOMETIMES(ベストを尽くせ、でも時々というわけじゃない=常にベストを尽くせ)」と書かれている。「Left & Right」のテーマである「青春で迷える人に向けたメッセージ」に沿った内容だ。
「エスクプス、シルバーの車、レンガの壁」という組み合わせから、「Left & Right」を連想させるように演出されたシーンであることはほぼ確実だろう。
また、ファンたちの間では、車がレンガにぶつかっているという構成は、「Left & Right」で墜落したというシーンのリメイクだという考えもある。だとすれば、今回の「; [Semicolon]」は、「Left & Right」の“後日譚”がテーマとなっている可能性も捨てきれない。
おまけ
リーダーズ
今回、公開されたティーザーでは、車に乗っているメンバーと、そうでないメンバーに分かれている。車に乗っているのは、SEVENTEENの各ユニットのリーダを担当している、エスクプス・ホシ・ウジの3人。通称、リーダーズだ。
SEVENTEENのファンの間では有名な話だが、SEVENTEENの公演での衣装などでは、リーダーズだけ少し異なるデザインやアイテム身につけていたりといった、ある種の「特別感」が演出されることがある。今回のティーザーで、メンバー同士で乾杯する場面でも、この3人だけ車に乗っていて、この3人だけでグラスを交わしてる。
また、SEVENTEENのリーダーズだけが車に乗っているというのは、彼らのユニット曲「Change Up」を彷彿させる演出であり、ファンたちの中には「『Change Up』以来、久々のリーダーズ曲がくるかも・・・」と期待感を募らせている人もいる。
「13」と「17」
今回発売されるスペシャルアルバム「; [Semicolon]」。実は、SEVENTEENにとって重要な数字が2つも付いたアルバムになる。それは「13」と「17」だ。
SEVENTEENというグループ名には
13人のメンバー+3つのユニット(HIPHOPチーム、VOCALチーム、PERFORMANCEチーム)+1つのチーム
という意味が込められている。
このうち1つでも欠ければ、SEVENTEENではなくなってしまう、ということだ。そのためSEVENTEENは「13」と「17」という数字をとても意識し大切にしている。
それが今回のアルバムと、どう関係があるのか。それは、SEVENTEENがこれまでに出した音盤(フル、ミニ、シングル)の枚数だ。
SEVENTEENはこれまでに、韓国だけで12枚、正式デビューしている日本での発売を含めると16枚、音盤を発売している。
つまり、今回のアルバム「; [Semicolon]」は、韓国だけで「13」枚目、韓国と日本の通算で「17」枚目のアルバムとなる。SEVENTEENにとって意味ある数字が2つも付いたアルバムとなるのだ。
このことに気づいたファンは、「だから今回のアルバムの位置付けが“スペシャルアルバム”になるのか」と考察している。
一体どんな「スペシャル」なアルバムになるのか、期待が高まる考察だ。
まとめ
「スペシャル」と付いたアルバムであるだけに、ファンたちの間で「; [Semicolon]」に対する考察や、ティーザーに暗示された意味の解析が盛んに行われている。
SEVENTEENは2020年に入り、韓国・日本を通して、休むことなく継続した音楽活動を続けている。今回のアルバム「; [Semicolon]」は名前通り、これまでのSEVENTEENに一区切りを打ち、今後のSEVENTEENを期待させる、そんな作品になるのではないだろうか。10月19日のカムバックまで待ちきれない。