グローバル・ボーイズグループ BTS(防弾少年団)が韓国大統領府で、若者たちにエールを送った。
9月19日、韓国大統領府では今年新たに作られた「青年の日」の第一回記念式典が開催された。ゲストとして招待されたBTSは、7人全員で代表スピーチを行った。
「青年」である彼らは、デビュー当時からビルボード1位という歴史的記録を成し遂げるまでの道のりを振り返り、未来の青年への応援の気持ちを表現し、韓国中を感動させた。
以下、全文
RM
こんにちは。BTSのリーダー、RMです。今日は第一回青年の日に合わせこの場に立ちました。招待していただき、心から感謝いたします。今日誕生した「青年の日」が、19年後に本当の「青年」になる日。その日のことを想像します。僕らは今日、未来の主人公になっているであろう、その日の青年の皆さんにメッセージを伝えます。未来の青年のみなさん、お元気ですか。まず、世界のどこかで今も挑戦をやめず、勇気に満ちた人生を送っている韓国のすべての青年の方々を応援します。27歳、まだまだですが、ジェットコースターのような人生を生きている、ある7人の青年のお話をしようと思います。もし未来の人生で何かの理由で困難に直面しているとしたら、2020年の僕たちの話が小さな力になることを願っています。
J-Hope
ビルボード1位の歌手、グローバルスター。僕らは最近、こんな素敵な表現をしてもらっています。しかし、未だに現実味がないような気分です。実は、時代とは関係なく、アイドルやアーティストという職業は道しるべのない道のようなものです。音楽という大きな夢ひとつを背負って出発しても、自分が歩いている道がどこに向かっているのか、ここから上り坂なのか下り坂なのか、歩き疲れて立ち止まった時、もう少し進めば目の前は楽園なのか崖っぷちなのか、分からないのです。僕らはこうして始まりました。
SUGA
今から7年前のデビュー当時、BTSは負けん気と覇気、情熱と毒気を武器に、予測もつかない道を歩き始めました。誰よりも、成功したかったです。小さい会社からデビューし、多くの困難、心配と立ち向かいながら、ある意味無謀でばかみたいに前後を振り返ることなく一生懸命にやりました。何をどうしたらいいのか分からなかったけど、いつかすべて思い出になるだろう、今つらいこともすべて過ぎていくだろう、そう呪文のように切実に唱えていたと思います。
ジミン
休みなく走ってきたような気がするのに、絶対に僕らは一生懸命やっているのに、とても長い間僕らの位置は変わりませんでした。お互いに過敏になり争って、疲れてきたとき、7人が集まりました。僕らの仕事を手伝ってくれたヒョンが「君たちをすべて理解することはできないけど、心がとても痛い。一緒にがんばってみよう」と言ってくれました。とても平凡にも聞こえるその一言が、暖かいその言葉が、大きな力になりました。どこに行けばいいか分からない青年たちにとって、大きな灯火になりました。
ジン
その時、20歳にようやくなったばかりの私は、さらなる現実と戦わなければなりませんでした。デビュー前は努力さえすれば何でも叶うと思っていました。しかし、デビューしてみると、努力よりも必要なのは才能でした。どんなに一生懸命やっても仲間に追いつくのが難しいと感じ、僕の自信やプライドは傷つきました。そんなある瞬間、気づいたんです。「本当の僕の姿はなんだろう。いまの自分の姿にもっと堂々としていてもいいんじゃないか?自分を信じてみよう」と。
J-Hope
いつの間にかBTSが歩いた道は少しずつ広がっていき、明るくなっていきました。ファンたちの幸せな顔が見え、それだけで大丈夫だと思っていました。しかし、思いもよらない大きな愛と感心の分、僕らの影も少しずつ大きく、重くなっていきました。音楽を愛していた僕らの心まで、押さえつけはじめました。「僕らは誰なのか?どんな愛をもらっているのか?」厳しく自分を急かし、問いかけるしかありませんでした。
V
体と心がとても疲れていました。もう自分がどこに行けばいいのか、よく見えるこの道も僕が望まない道ではないのか、目標を失ったような気持ちでした。幸せになれず、虚しい気持ちに襲われました。こんな感情の沼から抜け出すため、本当に一生懸命努力しました。いまこの瞬間、自分に正直になろう。感情の一つ一つまで感じて、吐き出してしまおう。
ジョングク
まるで嘘かのように、メンバーたちとファンたちを思い、もう一度立ち上がってみようと思いました。何もない道から始まったのに、いまはお互いがお互いの道しるべになったようでした。一緒にいることがありがたく、お互いに力になりたいという気持ちが、僕らのやるべきことは何なのか、自然と教えてくれました。1人で歩いていたら、こんなに遠くに来ることさえできなかったでしょう。楽しく踊りながら走り抜けることもできなかったでしょう。
RM
2018年頃、過分な成功を収め、7人のメンバー全員がさまよっていたことを思い出します。歩いている道に花畑が広がり、魅惑の果実が落ちていても、僕らはこの道がずっとそうであるとは信じられません。いつまた下り坂がはじまり、暴雨が降り注ぐか、分からないからです。そんな不安と憂鬱の末に、僕ら7人はもう一度少年になったように、お互いに夢と信頼を吹き込みはじめました。そして、2020年8月になりました。ビルボード1位。そして再びビルボード1位。僕らがもう一度立ち上がった時もらったこの賞たち。僕ら7人みんな、涙を流し感謝しました。しかし、さらにありがたかったのは、この10年間、諦めと脱落の瞬間にお互いを強く引き止め、頼みになってくれたメンバーとファンたちの存在でした。
ジン
未来の青年のみなさん、未来になり、僕らがお互いに青年と大人として対面しても、「これが正しい道だ。方法はこれがいいだろう。こんな生き方が立派だ。これが正解だ」とは言いません。韓国の青年たちはいつも強く、素晴らしいです。代わりに、一瞬の幸福と不幸が人生全体を左右しないよう、2020年のBTSがしてきたように、いつも自分で立ち上がれるように、守っていきます。みなさんが一緒に助け合って頼りながら進めるように激励していきます。昨日の青年たちのように、今日の青年たちのように、今までやってきたように、立ち止まらずにずっと勇ましく歩いて行くことを願います。みなさんの立派な思いで世界を変え、さらに未来の青年のため、前に立って時代の灯火になってくれることを願います。BTSはすべての青年の方々を応援しています。