BLACKPINKといえば、今K-POP界で最も人気と勢いのあるアーティストの代表とも言える存在だ。YouTubeでは、「世界で3番目に多いチャンネル登録者数」を誇り、8月27日に発表した世界的に有名なソロアーティスト、セレーナ・ゴメスとのコラボで話題の新曲「Ice Cream」は、すでに1億5000万回再生を記録している。
ところが、世界的な人気を博しているにもかかわらず、彼女たちは滅多に新曲を出さないことで有名だ。BLACKPINKとしての音楽活動は、基本的に1年に1回の新譜リリースのみで、デビューからの4年間で発表された曲は、収録曲やコラボ曲を含めても20曲に届かない。
ちなみに、BLACKPINKと同じくK-POPを代表するガーズルグループであるTWICEは、デビューからの4年間で90曲近い楽曲を発表している。
こうした状況には、BLACKPINKのファンだけでなく、K-POPファンの多く不満や疑問を感じていた。
そんな中、BLACKPINKは「New Music Daily Radio」のインタビューに登場し、なぜこんなにも曲数が少ないのかについて語った。
インタビュアーがメンバーたちに、昨今の新型コロナウイルスの影響下、どのような生活を送っているのかについて尋ねたところ、ジェニーは、10月に発売されるBLACKPINK初のフルアルバム「The Album」の作業で忙しくしていると答えた。
ロゼは「この2か月間、文字通り“毎日”スタジオに行って作業している。アルバム製作はほとんど最終段階で、どのような活動にしていくかを話し合っている」と明かした。
これを聞いたインタビュアーが「それだけ毎日スタジオにいたのなら、一体、何曲作って(アルバムのために)選ばなきゃいけなかったの?」と質問した。
するとロゼは、BLACKPINKの「曲作りに対する姿勢」について話し始めた。
彼女にとって、毎日スタジオにいるということは、必ずしも「曲数」が増えることを意味するのではなく、1曲あたりの「質」をより高めるためのものだと考えていると明かした。その上で「人々に“よりたくさんの曲を届けよう”という思いより、“少ない曲でも自分たちのベストな曲だけを届けよう”という思いで仕事している」と続けた。
さらにロゼは、完成した曲でも、アルバムを完成させるのにふさわしくないと思った曲は、アルバムから外して無しにしてしまうこともあると明かした。
10月に発売されるフルアルバム「The Album」も、情報が解禁された当初は「10曲以上」収録される予定であったが、一部情報によると、アルバムに収録される曲数は10曲に満たない形で発表されるようだ。
ファンからすれば、彼女たちの曲をよりたくさん聴きたい気持ちもあるだろうが、常に「ベスト」を尽くそうとする、この考え方から彼女たちの音楽に対する姿勢が見られる。
頻繁に新しい曲を発表しないからこそ、1曲あたりにかけられる時間と労力が増え、アーティスト側もより良い楽曲を作ることができ、聴く側も、1曲1曲をより味わって楽しむことができる。BLACKPINKはそうした音楽スタイルを提案してくれるアーティストではないだろうか。