8月下旬から放送が予定されていたアイドルサバイバル番組「Kingdom」の先行きが不透明になっているようだ。
「Kingdom」は、これまでに韓国のテレビ放送局Mnetにて放送された「Queendom」や「Road to Kingdom」に続くアイドルサバイバル番組。「Queendom」では、K-POPの人気ガールズグループ6組が出演。同日・同時にシングルを発売し、シングルの順位を競う形式が話題を呼んだ。一方、「Road to Kingdom」はK-POPボーイズグループが「Kingdom」への出場権をかけて戦うサバイバル形式で実施された。
本来、「Kingdom」は8月24日に放送開始予定であったが、7月下旬になっても製作陣からの公式ラインアップは公開されず、SNSでは連日ラインアップの予想大会が繰り広げられてきた。
ところが7月29日に韓国の業界関係者が明かした情報によると、「Kingdom」の放送開始はおろか、出演者のキャスティングに至るまで、ほとんど決まっていないという。
ここまで計画が後ろ倒しになっている理由として挙げられているのが、前シリーズである「Road to Kingdom」の不発だ。
「Road to Kingdom」は番組の構成自体が、出演グループに優劣を付け戦わせるフォーマットであったために、出演したアーティストのイメージダウンが心配されていた。そのため、出演したアイドルのファンだけに留まらず、多くの視聴者から批判的な意見が寄せられていたのだ。
また番組側が出演アーティストにTOOをいれたことも大きな非難を浴びた。
TOOは2019年末に、「Road to Kingdom」が放送されたMnetが放送したオーディション番組「TO BE WORLD KLASS」を通して結成され、番組への参加が決定した時点では、まだ正式なデビュー(この場合、音源発表や音盤発売)をしていない状態であった。
「Road to Kingdom」にはデビューして5年目であったPENTAGONも出演したことから、放送開始前から「特定のアーティストを優遇している」という視聴者からの批判が多かった。
こうした前作の番組構成や、番組側の優遇とも取れる出演者のラインアップなどが理由で、新シリーズの「Kingdom」の制作が思うように進んでいないのが現状のようだ。
韓国の複数の業界関係者の間では「『Kingdom』制作の話は、いつの間にかスッと聞かなくなった。2020年中には放送できないという結論が出たと聞いている」と明かし、Mnet側も「『Kingdom』の番組編成はまだ決まっていない」と話している。
「Kingdom」への出演が噂されていたアーティストのファンたちは、自分たちの”推し”が番組に出演することによるリスクがなくなったと胸をなで下ろしている。しかし一方で「Road to Kingdom」にて優勝を果たし「Kingdom」への出演が決定しているTHE BOYZや「Road to Kingdom」に出演したアーティストたちが哀れだという意見も見受けられる。
「Road to Kingdom」の番組内では、出演したアーティストたちがパフォーマンスへの不安や評価を心配し、精神的に追い込まれていく様子も放送された。また、番組内で優劣を付けられた結果、番組のシステム上、脱落したグループもある。
こうした姿を見ている「Road to Kingdom」の視聴者たちは、今回の「Kingdom」が白紙になった場合、「Road to Kingdom」に出演したアーティストたちの努力が無駄になってしまうのではないかと懸念している。
現状、「Kingdom」の放送が年内に開始される見通しはかなり低いようだが、もし放送が実現した暁には、全ての出演アーティストだけでなく、出演したアーティストのファンも「番組に出てくれてよかった」と思える番組にできるか、制作側の手腕が注目される。