デビュー直後から大きな注目を集めている期待の新星JO1。彼らは「PRODUCE 101 JAPAN」というオーディション番組を通して結成されたグループだ。
「PRODUCE 101 JAPAN」とは、応募総数6000人の中から選ばれた101人の練習生によるサバイバルオーディション番組。練習生たちは番組内で歌、ダンス、ラップを披露し、それを見た視聴者が応援したいと思った“推しメン”に投票。その得票数で順位をつけ、勝ち上がった11人がデビューを掴む。
オーディションの結果、選ばれたのは與那城奨、川尻蓮、白岩瑠姫、河野純喜、佐藤景瑚、川西拓実、木全翔也、大平祥生、金城碧海、鶴房汐恩、豆原一成の11人だ。
オーディションに参加する前まで、彼らは一般人として生活していた。高校生や会社員、就活生、K-POP練習生など、その肩書は多岐にわたる。そんな様々なバックグラウンドをもつ青年たちで構成されたのが、この「JO1」だ。
JO1は3月4日にシングル「PROTOSTAR」でデビュー。リード曲「無限大(INFINITY)」のMVはデビュー前の公開にもかかわらず、1日で100万回を超える再生回数を叩き出した。
JO1 l『無限大(INFINITY)』MV
「無限大(INFINITY)」はJO1の初めての楽曲。完成度の高い洗練された映像と、K-POPイムズが感じられるダンス、中毒性の高いサビのメロディーに乗せられた日本語の歌詞。彼らのMVにはそれまでの日本のアイドル界では見られなかった“新しさ”が詰まっていた。
そしてもう一つ、このMVには11人の努力も隠されている。上に書いたように、彼らはそれぞれ異なるコミュニティとバックグラウンドを持っているメンバーだ。そのため、必然的にグループ内で実力の差が生まれる。何年もダンスを踊ってきたメンバーと3か月間ダンスを踊ってきたメンバーとでは、やはりそのスキルに差が出てしまう。ボーカルもしかりだ。
しかし「無限大(INFINITY)」のパフォーマンスからは、この“実力の差”に向き合ってきた彼らの努力が感じられる。フォーメーションの変化が激しい振り付けは、11人が息を合わせて踊らなければならない。YouTubeで公開されている練習動画を見れば、彼らがこの数か月でどれだけダンスを踊りこんだのかがわかる。
JO1|『無限大(INFINITY)』Practice Video
11人のそろったダンスは数か月で仕上げたものとは思えない。着地の揃った足音から、彼ら11人が息を合わせ頑張ってきたことがうかがえる。
JO1を応援する人の多くは、この“新しさ”と“成長”に惹かれているのではないだろうか。今まで見たことのないタイプのアーティストが、今後どのように活躍していくのか、彼らがアイドル界を変えることはできるのだろうか、できたとすれば…もしかすると彼らは未来で伝説になっているのではないだろうか。見ているこちらがワクワクしてしまうような“新しさ”と、想像を超えたスピードでの“成長”、応援するファンの心を動かすこの二つ要素がJO1の大きな武器だろう。
そんな中、JO1は3月24日にTBSの歌番組「PLAYLIST」で「無限大(INFINITY)」を披露。ここでも彼らはファンの心を突き動かした。今回のパフォーマンスの特徴は、ほとんど被せなしの生歌で披露したところにある。「無限大(INFINITY)」は終始激しいダンスを踊りながら歌う楽曲だ。動きながら踊ることは長年活動しているアイドルでも容易なことではない。ましてや数か月前に結成したグループはなおさらだ。
しかし彼らは生歌で臨んだ。私は今回の彼らのパフォーマンスを見て、彼らの覚悟と意地を感じた。「実力で勝負する」「メンバー全員がダンスも歌もできる」「世界を目指す」これらはJO1のメンバーがインタビューなどで度々口にしている言葉だ。
6000分の11という精鋭ではあるものの、元一般人が集まり3か月前に結成したグループにとって「実力」で勝負することは容易なことではないだろう。しかし、彼らは「実力」ということを強調する。「PLAYLIST」でのパフォーマンスには、そうした彼らの思いが反映されているのではないだろうか。
今回のパフォーマンスで特に驚いたのが、踊りながらでも安定していた河野純喜のボーカルだ。この楽曲は河野のパートが多く、彼のパワフルな声が曲全体の色に大きな影響を与えている。ボーカルの要ともいえる彼が安定したパフォーマンスをすることは、全体のクオリティを上げることに大きく貢献しているだろう。
また、白岩瑠姫や木全翔也、大平祥生の余裕の感じられる丁寧な動き、川西拓実や金城碧海のカメラに向ける熱量など、全てのメンバーが各々独自に生み出した彼らだけの魅力を膨らませ、大きく成長した姿を見せている。
もちろん、まだ粗削りなところはある。ボーカルとダンス、両方を100%のクオリティで魅せるのには長い時間がかかるはずだ。しかし、これまでの11人を見てきたファンであれば、彼らが今後さらなる成長を見せてくれると信じるだろう。そして、これからもメンバー全員が実力で勝負し続け、近い未来、彼らが世界に羽ばたく日が来ることを、願っているだろう。
“新しさ”と“成長”で多くの人を魅了してきたJO1。これから彼らが進む道はどんな道だろうか。11本の道が交差し、1つとなった今、彼らの可能性は無限大だ。