2018年、国連総会(UN)の壇上でBTS(防弾少年団)リーダーRMは以下のように語った。
「LOVE MYSELF」、「私自身をまず愛そう」
2年前、「#GenerationUnlimited(無限の可能性を秘めた世代)」の発足で行われたイベントで、BTSのリーダーのRMは世界中の若者に向かって、自分の声を出す勇気、自分を愛する勇気について述べた。最後に「あなたの名前は何ですか?自分自身のことを話してください」と優しく、暖かく問いかけたRMの国連(UN)でのスピーチは未だ世界中の若者の心に響いている。
BTS 国連総会「世界中の若者たちへ」のスピーチ
国際的なイベントでのBTSの演説は2018年の国連総会が最後だが、BTSの哲学は公式のスピーチ以外にも彼らの音楽や、普段のインタビュー、SNSなどでも確認できる。
I NEED U
2016年発売された「Blood Sweat&Tears」のMVの最後のシーンにドイツの哲学者、フリードリヒ・ニーチェの言葉が隠されている。MVの最後にRMが鏡を見る場面に注目。RMが凝視する壁上に一つの文章が彫上がっている。「Man muss noch Chaos in sich haben um einen tanzenden stren gebaren zu können 」ドイツ語の文章を和訳すると以下のようになる。「輝く星を生むためには、必ずその内面に混沌があるべきである」この言葉はニーチェの代表的な著書「ツァラトゥストラはこうかたった」の一行だ。本曲の歌詞では明確にニーチェを指す言葉はないが、しかし混沌から生まれる星を隠喩的に表現したBTSの曲は、特に海外のARMYの心に大きく響いている。
INTRO : O!RUL8,2?
BTSがデビューして間もない2013年発売されたミニアルバム「O!RUL8,2?」。「O!RUL8,2?」はRMが作曲、プロデュースした曲で、まだ若い頃のRMの悩みがより生々しく伝わる。
歌詞は以下のようになっている。
父は言った「人生を楽しめ」と
父に尋ねてみたい「あなたは人生を楽しんだのか」と
どうして当たり前のものが当たり前じゃなくなって
当たり前じゃないものが当たり前になったのか
どうして僕の人生に僕がいなくて ただ他人の人生を生きるようになったのか
BTS(防弾少年団) 「INTRO : O!RUL8,2?」
国連の壇上に上がったRMは、他人の声に圧倒されやすい若者に暖かく声をかけたが、本曲では他人の声に圧倒され、怒りを抱いているRMの成長期の姿がうかがえる。デビューして間もない頃の曲であまり知られていないが、BTSの初期の姿を理解する上では貴重な曲だと言えるだろう。
BTSは、他にもインタビューやSNSで世界の若者を応援する数多くの名言を残している。
地方から上京した無名のグループとしてスタートしたBTSが、世界の音楽界のトップスターに昇り詰めるまでの歩み、そして彼らを支えてきた哲学は、彼らが発信してきた言葉や音楽の中にすべて表現されているといっていいだろう。
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