11月15日から17日までの三日間、NCT DREAMの初の単独コンサート「NCT DREAM TOUR THE DREAM SHOW」がソウルにて開催された。2016年8月にデビューした彼らはデビューから3年にして、ついに初の単独コンサートを成功し、追加公演も決定している。
そして11月22日の本日、チョンロが韓国にて19歳の誕生日を迎えた。一般的に考えると今日はNCT DREAMのファンにとって、とても幸せな日であることは間違いない。しかし、彼のファンは喜びよりもむしろ悲しみ半分で誕生日を祝っているのだ。
ファンが悲しむその理由は、『NCT DREAMのメンバーは20歳になったらグループを脱退する決まりがある』ためだ。
イ・スマンの野望
彼らの所属するSMエンターテインメントの会長、イ・スマンには長年描いてきた夢があった。
その夢とは、グループにいるメンバーを自由に入れ替えることができるローテーション型アイドルを生み出すことだ。
実はこの斬新な夢は20年前から描かれてきたという。
韓国の元祖アイドル 『H.O.T』や『Super Junior』も餌食になり損ねる
実は彼は、同社が誇るK-POP界の元祖スーパアイドル「H.O.T」の活動期からこの制度を取り入れようとしていた。しかし、当時のファンはこの提案を大反対し失敗に終わった。
その後、BOA、東方神起らが大人気を博しSMエンタは大企業となった。
2005年、かつて叶えられなかったあの制度を再度試みたイ・スマンは、ローテーション型アイドル「SUPER JUNIOR 05」をデビューさせる。現在はSUPER JUNIORとして知られるボーイズグループだ。しかし、最初のメンバーからキボムが卒業してキュヒョンが合流をすることはあったものの、それ以外の変化は特になく、またもローテーションに失敗した。
この後、少女時代、SHINee、f(x)、EXOとデビューするも、彼の野望はやはりかなわず、いずれのグループにおいても、基本的に固定メンバーのままでの活動となった。
ついに、ローテーション型アイドル「NCT」がデビュー
しかし2016年、SMエンタについに新たな革命が起きた。ローテーション型ボーイズグループ「NCT」が誕生したのだ。(NCTはNeo Culture Technologyの略)
NCTはアルバムによってメンバーの入れ替えが自由で、メンバー数の規制もない革命的なグループだ。
そのためNCTを通じて多くの練習生がデビューを飾り、現在は18人のメンバーで構成されている。しかし彼らは、18人で活動するのではなくNCT U、NCT127、NCT DREAMの3つのユニットに分かれ活動している。
(*WayVはNCTに含まれるが中国拠点のためここでは除外する)
各ユニットの特徴
「NCT U」は、楽曲によって参加するメンバーを変えるユニット。
「NCT127」は、ソウルを中心に活動する7人組としてデビューし、メンバーの合流で現在10人組のユニット。
「NCT DREAM」は、上記二つのユニットとは異なり、卒業のタイミングが明確に決められた青少年ユニット。20歳に卒業する。
なぜ20歳で卒業なのか
NCT DREAMの特徴は、未成年のユニットであるということだ。爽やかな青少年らしいイメージで誕生した彼らは、コンセプトを守るためにも成人になったらグループを卒業しなくてはいけない。
そのため、NCTや今年からSuper Mとしても活躍する最年長メンバー「マーク」は2018年にグループを卒業した。
これにて7人組としてデビューした彼らは6人組になった。20歳になったら卒業しなくてはいけない、前代未聞のグループ。実はこのユニットには大きな問題点があった。
なんと、2000年生まれが4人もいたのだ。
- ロンジュン 2000年 3/23生まれ
- ジェノ 2000年 4/23生まれ
- ヘチャン 2000年 6/6生まれ
- ジェミン 2000年 8/13生まれ
- チョンロ 2001年 11/22生まれ
- チソン 2002年 2/5生まれ
つまり、ロンジュン、ジェノ、ヘチャン、ジェミンは2019年に20歳となるため、ルールに従うと今年で4人が卒業することになる。残るのはチョンロとチソンのたった2人だ。
まさかあの、イ・スマン会長がこの事実を考慮していないはずがない。ファンの間では、「新メンバーの追加があるのではないか」とも噂されている。
ファンの反応
11月15日から三日間にわたり開催された初の単独コンサートが終了すると、ファンたちはコンサートの余韻を楽しむ間もなく、NCT DREAMの卒業制度について反対する文章をSNSにて拡散し始めた。
SNSのハッシュタグにて拡散された「#NCT DREAM_固定しろ」はツイッターのトレンドにランクイン。さらに、韓国のNAVERのリアルタイム検索ワードにもランクインした。
メンバーのうち、今後の活動が特に心配なのはジェミンとジェノだ。2人は芸能活動のために高校を中退したにもかかわらず、この制度のせいで練習生のような身分の「SMルーキーズ」に戻ってしまう可能性があるのではと懸念されている。
まとめ
2016年、H.O.Tの時代から続いていたイ・スマンの野望は、NCTの誕生によって、ついに現実のものとなった。
3つのユニットの中で唯一、「成人卒業制度」というルールが定められたNCT DREAM。現メンバーにとって大きな転機が訪れる日は、もう目の前まで迫っている。
今後、NCT DREAMにどのような変化が起き、一体彼らの運命はどういう道筋をたどるのか、注目されている。
(この記事は、韓国のユーチューバー더쿠피디の証言を参考に作成しました)