米エンターテインメント業界誌「ハリウッド・レポーター」が公開した、韓国人気ボーイズグループBTS(防弾少年団)とのインタビュー記事の中に、一部、差別的な発言や偏見が含まれているのではないかと物議を醸している。THE KOREA DAILYなどが伝えている。
同誌は10月2日、BTSのインタビュー記事「BTS Is Back: Music`s Billion-Dollar Boy Band Takes the next Step」(訳:「BTSが帰ってきた:音楽界の億万長者ボーイズバンドが次のステージへ向かう」)をネットに掲載した。インタビューは韓国のある食堂で、一人の記者がBTSメンバー全員(7人)に質問する形で行われた。
その中で、K-POPやアジアの文化に対する偏見が見られるのではないかと、一部ファンから非難の声があがっている。
記事の中で、「(BTSは音楽を)韓国独自の(言い換えるなら、ものすごく美しい)プリズムを通じて表現する」といった説明がある。このような表現は、まるで陶磁器の人形のように非現実的であるという意味合いで、西洋メディアで頻繁に使われる偏見的な表現だと、批難するファンは指摘している。
また、K-POP業界において、デビューを夢見る若者は、危険なダイエット、男女交際禁止、過酷なスケジュール、整形手術、肌の脱色などを強いられると紹介。2017年に自殺した人気アイドルグループ、SHINeeのメンバー、ジョンヒョンを引き合いに出しながら、K-POP業界は、ベストの中のベストだけが生き残れる、映画「ハンガー・ゲーム」のような世界だと説明した。K-POP業界の競争は年々、厳しさを増しているのは事実であるが、個人の悲劇を業界全体の問題として捉える見方は問題があるだろう。
さらに、BTSのファンを「ヒステリック」だと表現したり、末っ子を意味する韓国語「マキネ(maknae)」を「K-POPグループの中で一番年下のメンバーを称する言葉」と説明するなど、韓国文化に対する十分な理解やリスペクトが欠けているのではないかと思われるような表現もある。
今回の問題は、単にBTSに限られた問題ではない。たしかにBTSが全米チャートで1位を獲得したり、BLACKPINKが米巨大フェスに出演するなど、近年のK-POPアーティストの世界での活躍は目覚ましい。しかし一方で、今回の件は、アジアのアーティストの地位が、欧米の音楽業界ではそれほど変わっていないことを示す事例といえるだろう。
今回問題となったハリウッド・レポーター誌は、1930年代にはじまったハリウッド最初の業界紙であることを考えると、今回の記事に対する批判は、単にそれを書いた記者だけの問題とは言い切れないだろう。この記事に対して「EDタイムズ」は、「ジェノフォビア(外国人恐怖症)」だと強く批判している。
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