SMエンターテインメントを担当する弁護士が、アーティストへの誹謗中傷に対する法的措置に時間がかかってしまう理由を明らかにした。
とどまることを知らないK-POPアイドルに対する匿名の誹謗中傷。SMエンターテインメントでは今年6月、これらの名誉毀損や著作権侵害など、アーティストを取り巻くさまざまな問題をファンが通報できるレポートセンター「KWANGYA 119」を開設した。
9月28日、「KWANGYA 119」開設100日を記念して、サイトのシステムを改めて解説する動画「緊急点検KWANGYA 119」が公開された。動画ではタレントのジェジェがSMエンターテインメントを担当する弁護士のハン・サンフン氏が対話を行っている。
SM 아티스트의, 아티스트에 의한, 아티스트를 위한 ‘KWANGYA 119’
注目を集めているのは、「KWANGYA 119」が通報を受けた後に行われるプロセスの煩雑さ。ハン・サンフン氏は、通報を受けた後に行う最初のステップが、SMエンターテインメントの法務担当者が実際に告訴を提起できそうな資料(証拠)を集めることであると説明した。誹謗中傷であればコメントのキャプチャ等がこれにあたる。
これらの証拠が弁護士に提出されると、弁護士たちが「表現の自由を超えたもの」(例:放送画面を悪意を持ってキャプチャし、悪口や容貌を卑下したもの等)を選別。約10名の弁護士がすべての資料をクロスチェックして犯罪の内容、犯人逮捕の可能性、関係機関の協力の可能性などを捜査するという。なんと、弁護士チームは1か月につき平均400件もの事件を処理しており、これに加えて犯罪の程度が深刻なものや緊急性のあるものがSM側から追加で送られてくるという。このプロセス終了後、ようやく告訴状が警察に引き渡され、警察の捜査が開始される。
SMや弁護士側の初動捜査に平均3か月程度、そして警察の捜査が約3か月かかるため、通報から対応までに半年以上かかることもあるという。また、インターネットの匿名性により、捜査にさらに時間がかかる可能性もあるという。(メディアで報道された事件やアーティストへのリスクが大きい事件は、より迅速に処理される)
半年以上の時間をかけてようやく法的措置の最初のステップに立てるという煩雑さ。誹謗中傷コメントを書くのはたった数秒だが、それを裁き、損害を回復するためには長い時間と労力がかかっているのだ。
そして、裁判の結果次第では、誹謗中傷を行った被告人には懲役や罰金、内容が性犯罪に値する場合には身分の公開や就業制限等の罰が与えられる。アーティストを傷つけ、各機関に多大な迷惑をかけ、自身の人生までも台無しにする誹謗中傷。動画では、「絶対にやってはいけない犯罪」だと強調している。