華やかで大掛かりなK-POPアイドルのステージの数々。その裏では無数の舞台装置や特殊効果が作動している。しかしこれまで、それらの装置によってアーティストがステージで事故に遭う状況が相次いで発生してきた。豪華なステージを作るために施された演出がアイドルに被害を与えるという本末転倒な展開に、ファンからは懸念の声が上がっている。
本記事では、これまでK-POPアイドルたちを襲った危険な舞台事故について取り上げる。
IVE アン・ユジン 爆竹事故
今月12日に放送された音楽番組『ショー!K-POPの中心』では、去る5日に開催された「2023蔚山サマーフェスティバル」のステージが公開された。この日IVEは最新曲「I AM」を披露。事故は、ステージのクライマックスで起こった。楽曲後半のユジンの高音パートで爆発した爆竹の煙が、ユジンの目に入ってしまったのだ。
煙が目に入ったユジンはしばらく目を開くことができず、約10秒もの間両目を閉じて振付を消化した。しかし、再び自分のパートになると、なんとか目を開け最後までパフォーマンスを続けるプロらしい姿を見せた。
この事故シーンは本放送では公開されず、後にファンによって公開されたチッケム(メンバー個人にフォーカスしたパフォーマンス映像)を通してその事実が遅れて明らかになった。大きな事故やケガにはつながらなかったものの、ファンからは「この量の爆竹を使ったら煙がメンバーにかかるのが予想できなかったのか」と、安易な安全対策に非難の声が続出した。
ファン撮影のチッケムには煙に苦しむユジンの姿が
TREASURE ユン・ジェヒョク 特効の炎が暴発
今年4月1日、アジアツアー「2023 TREASURE TOUR [HELLO]」のタイ・バンコク公演であわや大事故になりかねない恐ろしいハプニングが発生した。
なんと、ステージ演出のために使われる火炎放射器が誤作動を起こし、ジェヒョクが炎を浴びてしまったのだ。次のステージのためメンバーたちのいるメインステージに戻ろうと火炎放射器のすぐそばを通りかかったジェヒョク。あろうことかそのタイミングで炎が噴射され、ジェヒョクはこの炎をもろに食らってしまった。ファン撮影の映像には、彼の下半身や手先に熱い炎が直接当たってしまっているシーンが収められている。
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幸い、衣装や髪の毛に燃え移るといった二次被害はなかったようだが、メンバーが直接強い炎を浴びるというショッキングな瞬間に会場は騒然。メンバーたちも呆然とし、パフォーマンスをいったん中断してジェヒョクの様子を確認。ジェヒョクはいったんステージを降り、手に大きな絆創膏を貼って再登場した。
MAMAMOO フィイン 爆竹の粉が目を直撃
昨年9月、「2022仁川空港スカイフェスティバル」に出演したフィインは、パフォーマンス中に爆発した爆竹の粉が目に入る事故に遭った。フィインは目に痛みを訴え、直後に精密検査を受けた。所属事務所は、この事故によってフィインの角膜に異物による傷が発生したと診断され、治療中だと明らかにした。
Red Velvet ウェンディ 転落事故
2019年、SBSで放送された年末歌謡祭『歌謡大典』のリハーサルを行っていたRed Velvet ウェンディが、ステージの2階から2.5m下の地面に転落する事故が起きた。この事故によりウェンディは右骨盤、手首の骨折、右の頬骨にヒビが入るという致命的な大けがを負った。
事故の様子を目撃した関係者によると、当時ウェンディは歌に合わせて階段を降りようとしていたという。しかしそこにはまだ階段が設置されておらず、そのまま地面に落下してしまったというのだ。さらには当時、ウェンディがいたステージは非常に暗く、足元の確認が難しかったうえ、蛍光テープ等も貼られていなかったという。
G-DRAGON 転落事故
2017年には、BIGBANGのメンバーG-DRAGONがタイでのソロコンサート中にステージから転落する事故が起きた。当時G-DRAGONの足元にあったリフト装置が閉じ切っておらず、そこに転落してしまったのだ。転落を察知した彼は瞬時に体勢を整え、まっすぐ着地したためけがは免れたという。
EXO カイ 転落事故
2015年、EXOの2回目の単独ソウルコンサート『EXO PLANET #2 -The EXO’luXion- in Seoul』のパフォーマンス中、ファンに近づこうとステージ前方に進んだカイがステージに開いた“穴”に転落。カイもG-DRAGONと同じく、開いたままのリフト装置に気づかず転落してしまった。
少女時代 テヨン 転落事故
2015年、「第24回ハイワン・ソウル歌謡大賞」授賞式に出席したテヨン。公演を終え退場していたところ、ステージに設置されていたリフト装置が突如下がり、テヨンがその穴に転落する事故が発生した。その高さはなんと2メートル。大けがを負いかねない事故は、ファンを戦慄させた。
H.O.T. ムン・ヒジュン 転落事故
1999年、ムン・ヒジュンはコンサート中に雨水で足を滑らせ、3メートルの高さから転落した。彼はすぐにステージに戻りパフォーマンスを続けたものの、脚がうまく動かなかったという。なんとこの事故によって下半身麻痺になる可能性があるという診断を受けていたことも明かされている。リハビリにはなんと半年もの時間を要したという。当時コンサートを観覧していた200名のファンがショックのあまり失神した。
BTS(防弾少年団) ジン 爆竹事故
2016年、あるイベントでの「Blood Sweat & Tears」のパフォーマンス中、大きな爆竹が爆発。ジンは即座に耳を覆い苦悶の表情を浮かべた。ジンが突発的に耳を覆っていなかったら、耳につけたイヤモニに爆竹の火花が接触し、感電事故に繋がるかもしれなかった。ジンは、飛んできた火花によって耳が赤くなり、ファンを心配させた。
またジンは、コンサートのエンディングで爆発した爆竹の灰が目に入る事故も経験している。幸いにもジョングクが素早く水でジンの目を洗ったため、大事には至らなかったという。