K-POPアイドルは一般的に、まず事務所に入社して練習生になり、そこで練習を重ね認められた一握りの人材がデビューの座をつかむ。事務所に入社するためには、自ら志願してオーディションに参加し合格するか、スカウトを受けてオーディションを受けるか、主にこの2つのうちどちらかの段階を踏むことがほとんどだ。
現在活躍中のアイドルたちの中には、BTS(防弾少年団)ジン、SEVENTEEN ジョンハン、ミンギュ、ASTRO チャ・ウヌ、TWICE サナ、ミナ、ITZY リュジンなど、スカウトを受けて事務所に入社した人物が多く存在する。
新たなスカウト形式「SNSスカウト」とは? どんな方法で探してるの?
数年前までは、スカウトといえば「路上スカウト」が主流だった。路上スカウトとは、芸能事務所のキャスティングチームが若者が多く集まるスポットや学校のイベント、コンサート会場などにあらゆる場所に足を運び、目を引く美男美女に声をかける方式のスカウト方法だ。ENHYPEN ヒスンは高校の入試会場で、TWICE ミナは百貨店の食品売り場で、ITZY リュジンはGOT7のファンミーティング会場でスカウトを受けたことでよく知られている。
しかしここ数年、K-POP界のスカウト事情が大きく変化してきているという。路上スカウトより効率的で場所を選ばないスカウト方法として、最近よく用いられているのが「SNSスカウト」。以前も度々行われていた形式ではある(MOMOLAND出身 ジュイ、ヨヌはSNSスカウト出身)が、コロナ禍で外出自粛が続いたりマスクで素顔が見えない期間が続いたことが、SNSスカウトの普及をさらに加速させた。
最近、そんなSNSスカウトのリアルが公開され、話題を呼んだ。今年6月、芸能人がアルバイトに挑戦するYouTubeチャンネル「워크맨-Workman」では、(G)I-DLEのシュファとユ・ソンホがCUBEエンターテインメントのキャスティングチームでアルバイトを体験した。そこで2人が挑戦したのが、SNSスカウト。キャスティングチーム所属の社員の手ほどきを受けながら、SNSから目ぼしい人材を探した。
【動画】[EN/CN] 제 2의 (여자)아이들, 아이브, 뉴진스, NCT, 블랙핑크, 세븐틴… 을 찾습니다ㅣ캐스팅 매니저ㅣ워크돌ㅣ슈화【該当シーンは2分51秒頃~】
芸能事務所がSNSスカウトをするにあたって使用しているのが、ハッシュタグ。「#09년생(2009年生まれ)」と年齢別に人材を探したり、「#아이돌지망생(アイドル志望生)」「#신인개발팀(新人開発チーム)」等の関連ワードで検索して、地道にアイドルの原石を探すという。しかし、実際に事務所に呼んでみると歌やダンスが微妙だったり、画像がかなり加工されたものだったことが発覚したりと、SNSスカウトに起こりうる問題も明かされた。
SNSスカウトで事務所入りを果たしたK-POPアイドル
そんなSNSスカウトで事務所入りを果たしたアイドルが、最近徐々に姿を現し始めている。
aespa カリナ
aespa カリナは、SNSのDM(ダイレクトメール)でSMエンターテインメントからスカウトされたという。デビュー前、Instagramを積極的に使用していたことで知られるカリナ。おそらくInstagramのDMでスカウトされたのだろう。カリナはスカウトを受けた時のことについて「詐欺だと思った」と振り返っている。
SM Rookies シオン
SMエンターテインメントのプレデビューチームであるSM Rookiesの新メンバーとして6月28日にその存在が公開された練習生・シオンも、SNSスカウトで事務所に入社したという。
彼もカリナと同じく、SNSのDMでスカウトを受けたといい、NCTの新チーム誕生までの過程に密着した番組「NCT Universe : LASTART」を通して「僕も詐欺だと思って最初は『結構です』と断ったが、一月後にまた来てSMだ、オーディションを受けてみる考えはないかと聞かれた。でも僕は木浦に住んでいて、ソウルに行くのは少し怖くもあったし、学校も休まなければいけないから『ソウルには行けません』と言った。するとSMが木浦まで来てカメラテストをしてくれた」と、スカウト当時のエピソードを明かしている。
「SNSスカウト」という制度をここで初めて聞いたSHINeeのキーやSUPER JUNIORのウニョクは「最近はそんなのがあるんですか?」と驚く様子を見せた。
しかし、SNSスカウトが増えているとはいえ、怪しいDMのほとんどは詐欺である可能性が高い。見知らぬ人から連絡を受けたら、まずは疑って慎重に確認することをお勧めしたい。