FIFTY FIFTYがグローバルスターへと駆け上がる絶好の機会を逃してしまった、と惜しむ声が続出している。
FIFTY FIFTYは、2022年11月にATTRAKTからデビューした4人組ガールズグループ。設立からわずか1年半弱の中小事務所出身だが、2月にリリースした1stシングル「The Beginning: Cupid」のタイトル曲「Cupid」が世界的に大ヒット。K-POP史上最速でビルボードのメインチャート「Billboard Hot 100」にランクインしたほか、「Global Excl. U.S.(アメリカのデータを除外したグローバルチャート)」で首位を獲得、SpotifyでK-POPガールズグループ史上最高の月間リスナーを記録するなど、あのBTS(防弾少年団)やBLACKPINK、NewJeansをも凌ぐ勢いを見せてきた。「中小ドルの奇跡」とも言える快進撃に、“第2のBTS”が生まれるのではないか、という声も多く上がっていた。
FIFTY FIFTY (피프티피프티) – ‘Cupid’ Official MV
まさかの法的紛争が勃発
そんな矢先、FIFTY FIFTYと所属事務所ATTRAKTの間に法的紛争が勃発。きっかけは、ATTRAKTとプロデューサーの対立の発覚だった。設立間もない事務所であるATTRAKTは専属のプロデューサーを雇っておらず、アイドル育成経験が豊富な外部の会社(The Givers)と用役契約を結び、FIFTY FIFTYのプロデュースを全てThe Giversに託していた。(The Giversがプロデューシングを担い、ATTRAKTはその金銭的援助をする、というビジネスモデル)
しかし、「Cupid」の大ヒットの後、このモデルに亀裂が入った。6月26日、ATTRAKTは外部勢力がFIFTY FIFTYのメンバーを自社から引き抜こうとしている、と主張し、それに介入したとしてThe Givers代表のアン・ソンイルプロデューサーらを告発した。
これにThe Giversは、FIFTY FIFTYメンバーを外部勢力に誘導した事実はないとしてATTRAKTを名誉毀損と虚偽事実流布などの疑惑で告訴する考えであることを明らかにした。
これを受けATTRAKTは、The Giversが外部勢力(ワーナーミュージック・コリア)と約200億ウォンでFIFTY FIFTYを移籍させる議論を行っていたという録音データを公開。The Giversは「これは事実ではない」と反論し、事態はまさに“泥沼状態”と化してしまった。
また、FIFTY FIFTYメンバーたちは、精算の不透明性や負傷メンバーを無理に活動させようとしたことなどによる信頼関係の破綻を理由に、所属事務所であるATTRAKTに対し専属契約の効力停止を求める仮処分を申請した。
その後、「Cupid」の著作権の保有に関する問題やFIFTY FIFTYが所属事務所に無断でグループ名やメンバー名の商標権を出願していたのでは、という疑惑が浮上。所属事務所のみならずFIFTY FIFTYメンバーたちに対する批判の声も上がるようになり、双方に悪印象・悪影響を及ぼす最悪の展開となっている。
法的紛争により台無しになった「ビッグチャンス」
この一大トラブルは、FIFTY FIFTYに甚だしい機会損失を招いた。
「Cupid」の世界的大ヒットを受け、映画「バービー」のOSTに参加することが決定したFIFTY FIFTY。楽曲のレコーディングは無事終えたものの、訴訟騒ぎによってMV撮影のスケジュールがキャンセルになってしまった。また、9日(現地時間)にアメリカ・LAで行われた「バービー」ワールドプレミアへの参加も叶わなかった。
【音源のみ公開されたOST】 FIFTY FIFTY – Barbie Dreams (feat. Kaliii) [From Barbie The Album] [Official Audio]
FIFTY FIFTYが参加できなかったワールドプレミアには、映画のOSTに参加したアーティストたちが一堂に会し、世界中から注目を浴びた。もし今回の騒動がなかったら、FIFTY FIFTYはこの作品のOSTを歌ったニッキー・ミナージュやデュア・リパなど、世界的な歌手たちと肩を並べてグローバルの舞台で再び注目を集めることができたはず。MVも、億単位の再生が見込めるほどの大注目作品になったはずだ。韓国メディアの報道では、今回の訴訟騒ぎによってFIFTY FIFTYが失った機会と損失は計り知れないほどだ、とも言われている。
【FIFTY FIFTYが出席できなかったワールドプレミアの様子】 Barbie Premiere: Interviews With Margot Robbie, Ryan Gosling & More | E! News
ファンからは、「本当に残念」「今からでも、先を見据えた賢明な判断をしてほしい」「このまま消えてしまいませんように」等、彼女たちの復活を願う切実な声が多数寄せられている。