IVEの新曲MVに隠された、今までの楽曲とのつながりが鳥肌モノだと話題を呼んでいる。
IVEは3月27日、4月10日にリリースされる1stフルアルバム『I’ve IVE』のプレリリース曲「Kitsch」を公開。第4世代のクイーン・IVEの帰還は大きな反響を呼び、音源は各配信サイトで軒並み1位を獲得。昨年12月から3ヶ月連続で、1日も1位の座を譲らなかったNewJeansの「Ditto」を破り、1位の座を奪還するという大記録を成し遂げた。
IVE 아이브 ‘Kitsch’ MV
そんな新曲のMVに隠された、過去曲との緻密な共通点に、ファンからは感嘆の声が上がっている。YouTubeチャンネル「이슈피드」が、話題のMVについて解説した。
IVEはデビュー曲から一貫して、「ナルシシズム(自己愛)」というコンセプトをMVや歌詞を通して表現してきた。「ELEVEN」で湖の水面に映る自分の姿に惚れ、「LOVE DIVE」ではそんな自分に向かって愛の矢を放ち、「After LIKE」ではその矢を受けて恋に落ちる、というストーリーを描いている。今回公開された「Kitsch」でも、「LOVE DIVE」との共通点が見つかり、その世界観が見事につながった。
IVE 아이브 ‘LOVE DIVE’ MV
「Kitsch」という単語は、現代では主に「定型的な枠組みから外れ、自分だけの個性をさらけ出す」といった意味で使われている。そんなタイトル通り、IVEは「私は見た目通りに生きる」「私が好きなことだけしてもいいでしょ」と言った歌詞を通して、周りの干渉に惑わされず「私自身」を愛そうとする、まさに「ナルシシズム」なメッセージを楽曲を通して伝えている。
過去曲との世界観の連結を表現する共通点は、MVの中でも見られた。その共通点は、「翼」。「LOVE DIVE」では、キューピッドをテーマにしていたためMVの中のメンバーたちには翼が生えていた。しかし、今回のMVでは、その翼が燃やされているのだ。これは、「もうキューピッドに頼らなくとも、自分を愛することができる」という進化した自我の表れなのでは、と推測されている。
これを証明する要素は、リズの進化からも見ることができる。「LOVE DIVE」のティーザーで芝生に横になって本を読んでいたリズは、「Kitsch」では赤いバラの上に横になって本を読むようになっている。実は、赤いバラの花言葉は「情熱的な愛」。「LOVE DIVE」の時は「直接入ってきてその目で確かめて」という歌詞で、恋に対して消極的で受け身な態度を見せていたリズが、今回の曲でついに自身への情熱的な恋に落ちたと推測することができるのだ。
また、「Kitsch」の歌詞にも、今まで以上に進化した自己愛が表現されている。「LOVE DIVE」では「君」という対象が登場していたが、「Kitsch」では「君」という単語は一切登場せず、「私」のことのみを語るようになっているのだ。
これらをまとめると、「Kitsch」では、今まで多少の迷いがあった自己愛が確信に変わったことを表現しており、今までの作品が自分自身と恋に落ちる「過程」だったならば、「Kitsch」を皮切りにこれから描かれる世界観は、キューピッドや湖のような媒体なしでもありのままの自分自身を愛する、今まで以上に自己愛に満ちた内容になると考えられる。
一方で、「Kitsch」のMVはメンバーたちの闇落ちを表しているのではないかという声も上がっている。「LOVE DIVE」に登場した角を生やしたハートが、今作では角を生やした悪魔に変わってしまっているためだ。「LOVE DIVE」ではキューピッドだったメンバーたちが、恋の混乱の中で堕天使ルシファーに変化してしまったのではないか、との推測がされている。
ちなみに、ルシファーには「光をもたらす者」という意味がある。IVEは、これまでのアルバムのジャケットで「光の三原色」を完成させており、今回のアルバムはその三原色が合わさった「白」を基調としている。よって、4月10日に公開される新曲では、これらの要素を含めて「ELEVEN」~「Kitsch」で大きく進化した自己愛を今まで以上のスケールで見せてくれるのではないか、と期待が高まっている。