VICTONは2022年12月18日、4か月ぶりとなる来日公演「2022 VICTON SPECIAL LIVE IN JAPAN “Chronicle”」を開催。デビューから今までを振り返る多彩なセットリストで、日本のALICE(VICTONのファン)と一緒に1年を締めくくる特別な時間を過ごした。
VICTONは、2016年にPlan Aエンターテインメント(現 ISTエンターテインメント)よりデビューしたボーイズグループ。今年でデビュー6年目を迎えた実力派グループで、並外れた歌唱力、ダンススキル、ラップスキル、表現力を兼ね備えた彼らは、アイドルの枠を超えミュージカルやドラマに出演するなど、幅広く活動している。
オープニングからエンジン全開のパフォーマンス
ブラックの衣装に身を包み登場したVICTONは1stフルアルバム『VOICE : The future is now』に収録されている「Into The Mirror」のパフォーマンスで公演をスタート。1曲目からエンジン全開のエネルギッシュなパフォーマンスで会場のボルテージを急上昇させた。続けて、2枚目のシングル「Mayday」より、タイトル曲の「Mayday」を披露。韓国公演では、披露されなかった楽曲をいきなり2曲目で披露し、今回の公演が日本のファンのために特別なセットリストが組まれていることを予告した。
激しいオープニングステージを飾ったVICTONは、ここで一度ファンにあいさつ。パフォーマンス直後で、まだ呼吸も荒い中、話し始めるとリーダーのカン・スンシクは、「汗が雨」と日本語で一言。滝のように流れ出る汗を「雨」と表現し、詩のような名言で場を和ませた。
まだ呼吸が整いきっていない中、すぐに「Unpredictable」のステージへ。魅惑的な雰囲気を漂わせるセクシーなパフォーマンスでファンを魅了した。彼らの楽曲の中でも、特にHOTな楽曲として知られる「Unpredictable」をまさかの3曲目に披露するというサプライズを用意したVICTON。ここでこの曲を披露するということは、まだまだHOTな楽曲がセットリストに含まれていると語り、ファンの期待度を高めた。
ここで1度、マイクチェンジのためはけていったメンバーたち。すると、その場に残ったイム・セジュンは「もう一度、日本のゾウのジェスチャーが見たい!」とリクエスト(以前、来日公演を実施した時に、日本と韓国ではゾウのジェスチャーが違うことを発見し、そのポーズをとても気に入っていた)。そんな彼のお願いにファンが応え、全員でゾウを表すジェスチャーを披露。会場はなんともいえない、あたたかい空気に包まれた。(なお、この時の様子はVICTONが公式YouTubeチャンネルで公開した「VICTON diary EP.140」の中で見られる)
【動画】VICTON diary EP.140(該当シーンは8:57~)
ハンセはデビュー曲「I’m fine」を気に入っていなかった!?
「VICTON 年代記」として用意されたミニコーナーでは、デビューから今までに発表したタイトル曲を振り返る年表を見ながら、当時を振り返り、それにまつわるミッションにも挑戦した。
すると、なんとド・ハンセは、実は「I’m fine」でデビューすると聞いた時、少し複雑な心境だったと意外な事実を明かす。というのも、ハンセは会社からHipHop系のグループでデビューすると伝えられていたそう。しかし、実際の楽曲は愛嬌のあふれるかわいらしい楽曲だった。そのため、イメージが全く違うと、少し戸惑ったのだそう。とはいえ、当時だからこそ、こういったかわいいコンセプトに挑戦できたと今は前向きに捉えているようだ。
なお、今回のミッションを読み上げる際、なんとチョン・スビンは、漢字やカタカナが混ざったミッションを読み上げるという驚きの日本語力を披露。グループの日本語担当に任命された。すると、スビンは少し荷が重く感じたのか、実はイヤモニを通して通訳が教えてくれたと正直に告白。恥ずかしそうに笑う彼に、ファンはメロメロになっていた。
また「Howling」を歌唱しながら最後の語尾を伸ばして呼量を競うというゲームをしたのだが、なんとボーカリストたちをおさえハンセが堂々の1位に。疑惑を持ったメンバーがハンセに「本当に途中で呼吸しなかった?」と詰め寄る。すると、ハンセは長年のラップの経験から、さりげなく息を吸うことがクセになっていると説明。そのため、無意識に一度、呼吸してしまったと告白。正直に話す姿に会場のファンも笑っていた。
一通り、年表を見終えたVICTONは、ここで日本では初披露となる「ALIVE」を歌唱。同曲で、VICTONは改めてその高いボーカル力を証明。ライブが上手いと定評のある彼ららしい安定した歌声からは、彼らが実力派と呼ばれる理由がよくわかった。
BRIDGE VIEDOでは、なんとVICTONがデビュー前に出演していたリアリティー番組「Me7Nam」でのワンシーンをメンバーが再現。当時の懐かしい雰囲気もありながら、演技力がアップしたメンバーの成長を感じる内容になっていた。
まさかの学ラン姿にファン悶絶! 感動の日本語曲のカバーも
休憩をはさみ、再びステージにもどってきたVICTONは、なんと日本の雰囲気に合わせて学ラン姿で登場。まさかのサプライズにファンからは思わず、黄色い歓声があがった。
この衣装でVICTONは、「Up To You」と「Chronograph」を続けて披露。思いのほか、ファンからの反応がよくセジュンは気分がよくなったのか、キレキレのダンスを見せながら、一瞬さわやかな笑顔を浮かべた。そのキラースマイルに多くのファンが心を鷲づかみにされたことだろう。
学生コンセプトということもあり、練習生になる前の自分に伝えたいメッセージはあるかと聞かれたスビンは、なんと次々とメンバーの黒い過去を暴露(?)。「スンシクには気をつけろ」、「ハンセはあいさつを返してほしい」、「セジュンは怖い」など、冗談交じりに過去のメンバーへの不満を爆発させ、一同を笑わせた。
続けて、制服姿にぴったりのさわやかなサウンドが特徴の「Better Place」を歌ったVICTON。これまでは、カリスマ性のあふれるパフォーマンスを披露していた彼らの愛らしさがあふれるステージに、ファンはより一層の盛りあがりを見せた。
すると、ここでVICTONからALICEにサプライズが。なんと、西野カナの大ヒット曲「Best Friend」を日本語でカバーしたのだ。メンバーのあたたかい歌声に会場が聴き惚れる中、ハンセはこの日のために書いたという日本語のラップを披露。楽曲に新たな彩を添えたラップと、5人の美しいハーモニーはとても感動的で、パフォーマンスが終わっても大きな余韻を残した。
【動画】2022 VICTON SPECIAL LIVE IN JAPAN [Chronicle] – ‘Best Friend’ (Cover) (원곡자: Nishino Kana)
実は、この曲の他にも、Official髭男dismの「Pretender」やRADWIMPSの「なんでもないや」、そして米津玄師の「Lemon」などもカバーの候補にあがっていたという。しかし、歌詞に共感したスンシクが、「Best Friend」をゴリ押し。ALICEに“いつもBest Friend”と伝えたいという気持ちで、この曲を歌うことにしたそうだ。
そんなスンシクの言葉を聞いたスビンは、「ALICEがベストフレンドなら僕たちは?」と、かわいらしくALICEに嫉妬する姿を見せる。すると、スンシクは満面の笑みを浮かべ、「家族でしょ」と即答。メンバー同士の仲のよさが伝わる1コマにファンもほっこりしていた。
常に新たな姿を見せるVICTONのステージに視線くぎづけ
ここでもう一度休憩をはさんだ後、日本では初披露となる「INK」に加え、「Stupid O’clock」、「Time Chaser」の3曲を披露したVICTON。特に「Time Chaser」では、スタンドマイクを使ってまるでロックスターのような感性あふれるステージを披露。抜群の表現力とスター性で、どんなコンセプトもみごとに消化するポテンシャルの高さを証明した。
研ぎ澄まされた集中力で1つひとつのステージに全力を注ぐVICTONのメンバーだが、実はパフォーマンスを披露しながらもファンのことをよく見ているそう。「Time Chaser」はリズムをとるのが難しい楽曲だと語ると、スンシクはそれに合わせて一生懸命にペンライトを振るALICEの姿がかわいかったと告白。中には、リズムが合っている人もいた、また2階席でずっと立ちながら応援してくれているファンのことも見えていると明かした。ALICEがVICTONを見つめるように、彼らも1人ひとりのALICEをしっかり見ていると語る姿からは、彼らのファンに対する深い愛情が感じられた。
実際に、チェ・ビョンチャンは、1階席だけでなく、2階席やバルコニー席まで、1人ずつ丁寧にファンサしており、MC中でもファンが発した言葉に反応するなど、何度も神対応を見せていた。
「Virus」は気絶するほどハード…ファンに助けを求める?
その後、メンバーがステージを終えるたびに気絶しそうになるほどハードだと語る「Virus」のパフォーマンスにうつる。公演も終盤に近づき、体力的にもかなりキツイはずだが、ここで最難易度の楽曲を用意したVICTONは、全く疲れを感じさせないほど覇気のあるステージを披露。もはや、これが1曲目なのではないかと感じるほどパワフルなパフォーマンスは圧巻の一言だった。
超人的なステージでファンを圧倒した彼らだが、やはり実際はかなりキツかった様子。パフォーマンスが終わるとすぐに「助けて…」とポツリ。ビョンチャンは「自分もVICTONになれると思う人は今(がそのチャンス)ですよ」とまさかのファンに場所を変わろうと提案する場面も。メンバーの言動から、どれだけ「Virus」が大変なステージであるかがひしひしと伝わってきた。
ライブの最後はファンへの感謝を伝える
ここまでやり遂げたVICTONは、ここからはファンへの感謝と愛を伝えるステージを展開。「In Love」、「White Night」の2曲をしっとりと歌い上げ、その美しい歌声に会場は酔いしれた。
一度ステージを離れ、アンコールの時間になると、メンバーはサンタクロースの格好で再登場。年末の盛大な雰囲気によく合う「Feels good」と、「We Stay」の2曲を歌唱し、明るく元気なエネルギーで会場を包んだ。
MCが始まるとすぐに「座っていいですよ」と声をかけるスンシクや、韓国語で感想を語りながらも「ボクがたくさん好きだよ」と重要なことはしっかりと日本語で伝えたスビン。ハンセはアイドルとしてベストを尽くしていたと言って袋の中からハートを取り出すお茶目な姿を見せたり、セジュンは自分に「サランへ~」と叫んでくれたファンに対し、その人に声を届けたいと感謝の気持ちを伝えたり、ビョンチャンは常にファンに目を向け、ジョークを言って場を盛り上げるなど、ALICEを大切に思うメンバーの気持ちがあふれる彼らの対応にファンはますますトリコになったようだ。
2022 VICTON SPECIAL LIVE IN JAPAN “Chronicle”
ご来場いただいたアリスの皆さん、ありがとうございました!!
VICTONはいつもアリスのそばに居るので、アリスもずっとVICTONのそばにいてください!💙💛#VICTON #빅톤 #Chronicle pic.twitter.com/0yRWkeEBLe
— VICTON Japan official (@VICTON_Japan) December 18, 2022