世界最大級のKカルチャーフェスティバル「KCON 2022 Premiere in Tokyo」が、5月14日(土)と15日(日)に幕張メッセで開催された。
新型コロナウイルスの影響で、この2年間はオンラインで開催されていたKCON。今年は3年ぶりのオフライン開催となり、多くの観客が会場に足を運び大きな盛り上がりを見せた。
KCONは、コンベンションとライブで構成されており、今回筆者が訪れたのはコンベンション。コンベンションは、コーヒーカーやコスメのタッチアップなど、韓国に興味があるファンにはたまらない様々な韓国カルチャーを体験できるブースと、アーティストが登場するミニステージ「DUGEUN DUGEUN ステージ」がひとつのホールに集結している。
ピンクや紫のパステルカラーが今回のKCONのイメージカラー。会場はイメージカラーを使用したフォトスポットが各所に設置されており、そこで記念写真を撮るための列ができるほどだった。韓国式プリクラの機械も設置されており、KCONに来た記念に各々が持ち寄ったグッズを持ってプリクラの撮影を楽しむ来場者も多かった。
また、「M COUNTDOWN」や「QUEENDOM 2」などが放送されている韓国のケーブルテレビ「Mnet」の特設ブースでは、放送中の番組の展示や日本向け配信サービス「Mnet Smart+」の特別特典などが配布されており、来場者の注目を集めた。
ライフスタイルストア「PLAZA」のブースには、韓国コスメのお試しができるコーナーも。大人気の韓国コスメ「rom&nd」を中心に、アイシャドウやリップを体験できた。釜山ワンアジアフェスティバルブースでは、韓国人による本場のアイメイクが受けられる企画も開催された。
日本のテレビ局「TBS」のブースには、10月スタートの火曜ドラマ「君の花になる」の巨大パネルが設置された。元YG練習生で現在はソロアーティスト活動中のNOAや、日本のイケメン俳優たちが集結するこのドラマには、来場者も関心を示しているようだった。
そんな中でも特に多くの来場者を引き付けていたブースは、今回のKCONコンサートに出演するアーティストたちとコラボしたドリンクが販売されているコーヒーカー。常に長蛇の列ができていた。グループをイメージした色や味のドリンクは、まさに「インスタ映え」のかわいさ。ドリンクを購入した人たちからは、「かわいい!」と、絶賛の声が上がっていた。それぞれが持ち寄ったアーティストのグッズや特典のコースターと一緒にドリンクの写真を撮る様子が多く見受けられた。
OWV ファンミーティングレポ
そして、来場者の一番の目的ともいえるファンミーティングプログラム「DUGEUN DUGEUN ハンター」も、同会場内に設営された「DUGEUN DUGEUN ステージ」で開催された。
今回筆者が観覧したのは、OWVのファンミーティング。OWVは、「PRODUCE 101 JAPAN」に出演した元練習生により結成されたボーイズグループ。中川勝就、本田康祐、佐野文哉、浦野秀太の4人で活動中だ。
黒を基調としたシックな衣装に身を包んで登場したOWV。ファンたちは盛大な拍手で迎えた。オンラインでも配信されていたこのファンミーティングには、オンラインでも多くの視聴者が集まり、多数のコメントが寄せられていた。
佐野文哉は、なんとこのKCONにダンサーとして参加したことがあったそう。アーティストとしてKCONのステージに戻ってきた佐野のサクセスストーリーに、会場からは驚きと拍手が起こった。佐野は、「支える側から支えていただく側になって感慨深い」と語った。
ファンミーティングでは、本田康祐が「もっと拍手して?」と会場を煽ったり、それに対し中川勝就が「いやもういいだろ!」とツッコんだりと、軽快なトークでイベントを盛り上げた。佐野文哉は、「僕たちに一番合うコンセプトと言えば、愛嬌全開のかわいい感じ」と冗談を飛ばすと、案の定MCから「例えば?」との一言が実際に愛嬌を披露することになってしまった。いやいやながらも佐野は椅子の後ろからひょっこりと顔を出し、ほほを膨らませてほほハートを作るというあざとすぎる愛嬌を披露した。
また、ファンミーティングに参加したアーティストたちが共通で行った、視聴者をドキドキさせる企画では、メンバーが1人ずつお題を引き、それに従って視聴者をときめかせるパフォーマンスを披露した。
佐野が引いたテーマは、「エンディング妖精(曲の終わりにメンバーが1人ずつカメラに抜かれ、それぞれ個性あふれる表情やパフォーマンスを披露すること)」。OWVのデビュー曲「UBA UBA」が流れると、必要以上に(?)大きく肩を揺らしながら全力のエンディング妖精パフォーマンスを披露した。このパフォーマンスにメンバーからは「そんな疲れてないでしょ」とツッコミが入り、ファンを笑わせた。
浦野が引いたのは、「おかえりの一言」。浦野は、「QWV(OWVのファンの名称)、今日も遅くまでお仕事お疲れ様。僕は寝てただけだけど… ご飯は作ってあるから食べてね」と、優しい彼氏を演じた。すると浦野は、「あれ、これ僕のボケ通じてないですか?僕ご飯作れない…」と、ボケを説明。これを聞いた中川は、「まず浦野がご飯作れないことをほとんどの人が知らない」と辛らつな一言。想像以上にウケなかった「おかえりの一言」に慌てる浦野の姿は、メンバーとファンを笑わせた。
中川が引いたのは「愛嬌」。自信ありげな様子で堂々と投げキスからのほほに指を当てるあざといポーズを披露した。
本田が引いたのは、「モーニングコール」。「今日ここにいる目覚めてない奴らみんな今から起こします」と自信満々な様子の本田。「もしもし、今起きた?え?歌って?じゃあ、僕が今から、次にOWVがやりたいプリプリかわいい曲やるね」「Everybody 耳 うさちゃんベイビー♪」と、謎のうさちゃんソングを披露。うさ耳をぴょこぴょこと動かすかわいらしい振付がクセになる。これを見たメンバーたちは言葉を失い失笑。「もうやめて」「やばいよ」「今人減りました」と、本田のパフォーマンスを酷評。本田は、自分で始めたパフォーマンスにもかかわらず、あまりの恥ずかしさにいったん退場。しかし会場はかなりの盛り上がりを見せ、本田を安堵させた。
続いて、「UBA UBA」のリレーダンスを披露したOWV。先ほどのおもしろいキャラクターとは一変してクールな表情でキレのあるダンスを踊ったOWVは、会場を大いに盛り上げた。しかし曲の終盤、本田が突然、先ほど酷評を受けた「うさ耳ダンス」を全力で踊りだした。これを見たメンバーはまたも失笑するかと思いきや、なんと本田に乗じてうさ耳ダンスを踊り始めた。「UBA UBA」に合わせてメンバーたちがキレキレのうさ耳ダンスを踊るというカオスな状況にファンは爆笑。OWVは、持ち前のバラエティセンスをこれでもかというほど見せつけた。
ファンミーティングの最後には、用意された小道具を使ってかわいく退場をすることに。メンバーそれぞれ自由にカチューシャや帽子などのかわいらしいアイテムを選んで着用した。しかし、そんな中浦野にある異変が。なぜか小道具を身に着けるのを躊躇している。浦野の手元を見てみると、なんと彼の手にはリアルな馬の被り物があったのだ。適当につかんだ結果、馬の被り物を選んでしまったようだ。浦野は、「これなんすか!?」「今までありました?KCONでこういうの」と文句たらたら。しかし素直に馬の被り物を被った浦野。妖精のステッキを持つ本田、クマの帽子を被った中川、ハートのカチューシャをつけた佐野と、かわいすぎるメンバーたちの中に1頭リアルな馬(浦野)が混ざるというおもしろすぎる状況に、ファンは爆笑。最後までファンを笑わせた愉快なOWVであった。
韓国カルチャー体験からアーティストを間近で見られるファンミーティングまで、K-POPファンにはたまらない企画が盛りだくさんのコンベンション。全K-POPファンにおすすめのイベントだ。次回の開催の際にぜひ足を運んでみるのはいかがだろうか。
(取材・企画・撮影・文章: 仙田桃子)